この連載では、GPEがチェンジメーカーたちに教育の力について5つの質問を投げかけます。GPEの資金調達キャンペーンでは、90の国と地域で10億人の子どもたちの教育を変えるために、少なくとも50億ドルの資金調達を目指しています。
2021年3月23日 GPE事務局

Prof. Sarah Anyang Agbor閣下は、アフリカ連合の教育・科学・技術・イノベーション(ESTI)担当委員であり、すべてのレベルの教育を網羅しています。
4月20日、アフリカ連合(AU)は欧州連合(EU)、UNICEFと共同で、教育イベント「Building Skills for the Future」を開催しました。このイベントは、「高等教育や職業訓練を含むすべての人のための質の高い教育へのアクセス」「公平性と包括性(子どもを置き去りにしない)」「21世紀の地域経済や生活のニーズに対応したスキルやコンピテンシーの教育と学習」という優先分野への投資を約束することを目的としたものです。イベントの動画は、こちらをご覧ください。
1. 手をぴんと挙げることで、GPEの50億ドル以上の資金調達キャンペーンを支持したことになります。完全にGPEが資金を調達した場合、AUと協力して、若者に質の高い教育を提供するために、国内支出をより多くより良くするための、財務省と教育省間の戦略的な連携を共同で達成するにはどうしたらよいでしょうか?
AUは、50億ドル以上の資金調達と国内資金の保護を求めるGPEのキャンペーンを全面的に支持します。どちらも、すべての人に質の高い包括的な教育を提供するための効果的かつ効率的な教育システムに不可欠な投資です。また、国内予算における教育費を守るというGPEのキャンペーンの呼びかけは、パンデミックからの回復の鍵となります。
GPEとAUは共同で、大規模なインパクトをもたらすための教育システムの強化と変革を提唱しています。AUは、加盟国に対し、国内資金における教育への予算配分を増やすことを奨励しています。より多くの資源を動員し支出を改善することは、質の高い教育システムの中心であり、包括的な政策対話とモニタリングを通じた相互説明責任を支援することでもあります。
一人も置き去りにすることがないよう、より多くの優れた資金が必要です。COVIDにより、構造的な不平等が明らかになり、すべての学習者のために接続への投資を強化することが緊急に必要であることが示されました。AUは、GPEのようなパートナーやテクノロジープロバイダーと協力して、アフリカの何百万人もの子どもたちや若者に必要な重要なソリューションを提供していきたいと考えています。
2. AUは、科学、技術、工学、数学(STEM)への女子の参加を優先させることを提唱しています。2021年のAUのテーマである2021年のAUのテーマである、「芸術、文化、遺産:我々が望むアフリカを構築するための方策」と、先日開催されたAUサミットを踏まえて、STEMへの女子の参加を増やし、デジタルにおけるジェンダー格差を解消するためには、どのようなことが重要でしょうか?
デジタルトランスフォーメーションと女性・女子がSTEM分野へ参加することは、さらなる持続可能な未来のために不可欠です。COVIDにより、デジタルアクセスにおけるジェンダーギャップがより強調され、その影響が悪化しました。女子たちは、構造的・文化的な障壁や固定観念に直面しており、それが彼女たちの期待に影響を与え、STEM以外のキャリアパスを選択することにつながっています。このため、AU/アフリカ女子・女性教育国際センター(International Centre for Girls’ and Women’s Education in Africa、CIEFFA)による「AfricaEducatesHer」キャンペーンを開始しました。
STEM分野への女子の参加を増やし、ジェンダーによるデジタル格差を解消するには、男子と女子のジェンダーニーズや経験を考慮した、ジェンダー対応のアプローチが必要です。私たちは、教育システムへの体系的な政策介入を通じて、格差に対処しなければなりません。
また、文化的規範を変え固定観念を取り払うこと、知識や研究結果を共有すること、草の根レベルで宗教者や伝統的な指導者を巻き込むことも重要です。
3. AUの貴局は、最近GPEと提携して2020年11月に立ち上げた、COVID-19 に関するアフリカのためのGPE Knowledge and Innovation Exchange (KIX) Observatoryの中心に、ジェンダーの平等と包括性を据えています。そしてあなた(Sarah Anyang Agbor氏)にはその発表イベントのオープニングを飾っていただきました。あなたの考えでは、ジェンダー平等を促進し、最も疎外された子どもたちの教育へのアクセスを改善するために、革新的なソリューションと接続性がどのように役立つのでしょうか?
教育は当然の権利です。そのためには、すべての男子女子が自分の可能性を最大限に発揮できるよう、質の高い教育を平等に受けることが必要です。COVID-19とそれに続くロックダウンにより、アフリカの若者の遠隔教育をサポートするための、接続性の必要性が浮き彫りになりました。
AUの大陸教育戦略(CESA16-25)は、すべてのアフリカ人が大陸の発展に必要な知識と能力を身につけられるような環境を確保することを目的としており、DOTSSフレームワーク[1]をはじめとする数多くの取り組みに反映されています。
閣僚会議で承認されたDOTSSは、アフリカの教育システムを変革し、加盟国が遠隔地に住む疎外された学習者に学習を届けることができるようにするための統合的なアプローチを提供します。DOTSSには以下が含まれます。
- アフリカのすべての学校のデジタル化と電気への接続(Digital and electricity connectivity of all schools in Africa)
- 教室での学習を補完するオンライン学習(Online learning to complement classroom learning)
- ファシリテーターとして教室やオンラインでの学習を促進する教師の育成(Teacher development as facilitators of classroom and online learning)
- 学校やオンラインでの安全な学習環境(Safe learning environments in schools and online)
- 基礎的なスキル、デジタルスキル、21世紀のスキルなど、スキルに焦点を当てた学習(Skills focused learning – including foundational skills, digital skills, 21st century skills and more)
デジタル学習は、アフリカのすべての女子と男子に届く、デジタルによる提供を主流にすることを通じて、教育に革命を起こす可能性を秘めています。

4. COVID-19パンデミックの影響に対抗するという文脈では、いくつもの競合する優先事項があります。国内予算における教育資金を守るための、AUのアプローチとはどのようなものでしょうか?
予算は、政府が教育の権利を確保する義務を果たし、その優先順位と公約を表明するための中心的な手段です。
AUは、教育省が財務省と協力して予算概要書を作成することを奨励しています。これらの概要書を通じて、省庁は、教育への予算配分を分析・監視し、過去の支出の効率性、有効性、公平性、妥当性を評価し、政策のための重要なメッセージを伝え、セクターの成果に結びつく予算課題に関する職員の知識を高めています。
5. 学校について最もよく覚えていることは何ですか?特に大きな影響を受けた出来事や先生はいましたか?
私の記憶では、先生がフレンドリーで生徒に良くしてくれる教科は成績も良かったです。皮肉屋で厳しい先生がいる教科はあまり好きではありませんでした。
学士号、修士号、博士号の論文を指導してくださった先生方は、私のキャリア形成において大きな影響を与えてくれました。今日に至るまで、私の博士号の指導者は、引き続き、指導と助言を通して私を支え続けてくれています。
[1] DOTSS について詳細はこちらをご覧ください。 https://au.int/sites/default/files/documents/38788-doc-policy_guidelines_final.pdf
<原語版>5 reasons for $5+ billion: Interview with Sarah Anyang Agbor
https://www.globalpartnership.org/blog/5-reasons-5-billion-interview-sarah-anyang-agbor