東京栄養サミットプレイベントに向けたアリス・オルブライトCEOのスピーチ

RESULTS JapanとWFP共催により、 12/6(月)に東京栄養サミット2021のプレイベントが開催されました。会場では、アリス・オルブライトCEOによるスピーチが日本の学生・ユースの笹川大輔さん(創価大学)により代読されました。

アリス・オルブライトCEOによるスピーチ全文(日本語)

日本の国会議員の皆様、RESULTS JapanとWFPの皆様、そしてご来賓の皆様、こんにちは。日本政府が東京栄養サミット2021と教育のためのグローバル・パートナーシップ「GPE」をご支援していただいていることに感謝申し上げます。そして、このような場でお話しできることを大変嬉しく思います。

子ども達が栄養のある食事をとることと、質の高い教育を受けることには、深いつながりがあります。子どもが食事をとることで、よりよく学ぶことができるようになります。また、教育を受けた子どもは、より健康である可能性が高くなります。 この好循環により、命が救われ、人々はよりよく生きることができるようになるのです。

しかしながら、本日では何百万人もの子どもたちが、十分な食事を得られず、学習の機会を奪われています。低所得国の7,300万人の子どもたちが、毎日空腹のまま学校に通っているという事実には衝撃を受けます。空腹であれば、学習に集中することがいかに難しいかは、研究を重ねた科学者でなくても理解できるはずです。

すべての子どもたちが本来持っている自身の可能性を最大限に発揮できるようにするには、教育だけでなく、健康と栄養にも投資する必要があります。教育のためのグローバル・パートナーシップ「GPE」は、まさにそれを実現しています。

私たちは、低所得国の子どもたちに質の高い教育を提供することを目的とした、世界で唯一のパートナーシップおよび基金です。政府と協力して教育制度の改革を行い、現地で活動をしている開発団体・民間・財団等と協力して学校給食やその他のプログラムを支援しています。

昨年、GPEは、新型コロナウイルス感染症による影響に対応し、その回復を支援するために、23カ国の栄養に関連するプログラムに支援を行いました。さらにGPEは国連、WFP、その他マルチの機関による新しいパートナーシップ、「学校保健と栄養の強化」に参加しました。そのパートナーシップでは、GPEは、栄養に関連する支援におけるエビデンスや好事例の共有を支援しました。

なぜなら、明らかなことが1つあります。学校給食プログラムにより、子どもたちが学校に通い、学ぶことができるということです。なぜ、それが重要なのでしょうか。

なぜなら、教育を受けた子どもたち、特に女子は、家族が貧困から抜け出すのを助け、そしてその家族はより健康になるからです。しかし、女子たちはしばしば教育を受ける機会を失っています。健康状態の悪さ、ジェンダーに基づく暴力、女子に優しい学校の衛生施設の不足、差別など、理由はさまざまです。

私の言葉をそのまま受け取るのではなく、ぜひ、数値をみてください。世界中で2億6千万人の少女と少年が学校に行っておらず、さらに数百万人が学習できていません。私たちはこの現実を受け入れることはできません。私たちには、行動を起こす、道徳的な義務があります。

日本は、学校に栄養プログラムを取り入れるという点で世界の見本になっています。そして日本の学校給食プログラムに取り入れられている「食育」は、開発途上国のモデルとなっています。多くの国が日本から学べることはたくさんあります。でも、日本にできることもたくさんあります。

私は、日本政府がGPEとのパートナーシップを深め、日本が行っているグローバルな活動をGPEへの意欲的な貢献に結びつけることを強く求めます。私たちは、世界の最も貧しい子供たちに教育を施すために50億ドルの資金を集めようとしています。それには、日本の協力が不可欠です。

ともに、すべての子ども達の教育と未来を変えていきましょう。

ありがとうございました。

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