東南アジアの若者達の政治参加と日本への示唆

東南アジア諸国では若者が立ち上げた政党によりこれまでの政策が変わろうとしています。一方日本では、第49回衆議院選挙の20代の候補者比率が前回と比べて減少しました。日本でも若者の政治参加を促していくにはどのようにすれば良いのでしょうか。

タイ、マレーシア、インドネシアでは若者が率いる政党が次々と立ち上がっています。長年続いてきた与党や支配政党とは異なり、デジタルファーストで階層の無いプラットフォームを構築して若者を魅了しています。

例えばインドネシアでは、 39歳の元ジャーナリスト、ナタリー氏が率いる「インドネシア連帯党(PSI)」が2014年に設立されました。この党は2019年に行われた国政選挙にも参加しています。 環境、住みやすさ、医療など、若者に関係のある問題を多く取り上げていたり、慣例として通常党の長老が行う決定事項も、PSIでは先輩も後輩もなく全員が平等に参加することなどが特徴です。

日本のGPEでは、開発途上国の教育課題に関心を持つ大学生を中心とした、GPE ユース・アンバサダー・ジャパンがアドボカシー活動を展開しています。日本では、若者の声を政策へと取り入れる機会を増やすことが、政治参加を促す第一歩といえるかもしれません。ぜひInstagramからGPE ユースの若者達の活動の様子をご覧ください。

GPEユース・アンバサダー・ジャパン Instagramページ

Instagramページ

投稿日:
カテゴリー: 未分類

革新的な資金調達の仕組みGPEマルチプライヤー(GPE Multiplier)

GPEでは、教育への新規・追加の外部資金を動員するインセンティブを生み出すことを目的とした、革新的な資金調達の仕組みである「GPEマルチプライヤー」を2018年から展開しています。

「GPEマルチプライヤー」はドナー支援とGPE資金をマッチングする仕組みであり、GPEからの支援1米ドルにつき、少なくとも3米ドルを他ドナーから動員するものです。以下の図のように、他ドナーからの動員は、民間財団からの助成金、インパクトボンド、二国間ドナーや多国間・地域開発銀行からの譲許的融資など幅広い資金が対象となります。

2021-2025年のGPE新モデルでは、より新規で多様な資金を得やすいよう、以下の2つの取り組みが追加されました。

低いマッチング要件追加:民間や財団を対象に、1:1の比率でマルチプライヤーの活用が可能(他ドナーについてはこれまで通り1:3の比率)

対象セクターレベル要件の拡大:•マルチプライヤーにアクセスするための対象セクターレベル要件が、3分野から「国内資金の公平性、効率性、量」「セクター計画、政策、モニタリング」「データとエビデンス」「セクター協調」の4分野へ拡大

マルチプライヤーの仕組み

日本では、JICAがパプアニューギニア(PNG)で他ドナーとともに策定を支援してきたPNG政府の理数科教育プログラムに対して、GPEよりマルチプライヤーと従来のグラントを合わせ、約11億円の支援が行われました。 日本にとって、マルチプライヤーのような革新的な資金調達の仕組みを活用することで、これまで長年取り組んできた支援のためのリソースを文字通り倍増させることができる、理にかなった方法といえます。

GPE マルチプライヤー

投稿日:
カテゴリー: 未分類

アフガニスタンの現状とGPEの取り組み

日本によるアフガニスタン支援
10月12日に、アフガニスタンに関するG20首脳テレビ会議が開催され、日本からは岸田文雄内閣総理大臣が出席しました。会議では、G20首脳らがアフガニスタンをめぐる重要な課題を議論し、国際協調の重要性が確認されました。岸田総理大臣は日本の支援として、国際機関を通じた6,500万ドル(約71億円)規模の新規支援を含め、本年中に総額2億ドル(約220億円)の支援を実施する考えを示しました。また岸田総理大臣自身が、20年前にアフガニスタンの学校等を訪れた経験から、 アフガニスタン国内の経済活動や基礎サービスの提供の維持の必要性についても言及しました。

アフガニスタンにおけるGPEの取り組み
GPEは、アフガニスタンの現在の政治情勢が、教育分野、特に女子に与える影響を深く憂慮しています。

GPEは状況を注視しており、GPEが資金提供しているプログラムに対する、アフガニスタンの最近の出来事による影響等について、パートナーと継続的に対話しています。GPEの「脆弱国・紛争影響国に関するフレームワーク」では、合法的な政府や国際的に認知された政府が存在しない状況では、GPEの関与は、「子どもの最善の利益の確保」「システムの保護」「人道的原則」という3原則に基づき構築されることになります。

2011年にアフガニスタンがパートナーシップに参加して以来、GPEは2億米ドル以上を投じてアフガニスタンの教育サービス向上を支援してきました。

投稿日:
カテゴリー: 未分類

開発途上国の教育支援の効率性を上げる取り組みを教えてください

このコーナーではGPEに関してよくある質問にお答えします。

教育資金の主な財源は国内資金です。しかしながら特に低所得国では、外部からの援助資金が、教育資金の多くを占めています。一方、教育援助は断片的になりがちで、国家予算の仕組みに適合しておらず、取引きコストが高くなったり、調整や実施が非効率になりがちです。

このような背景から、GPEでは「外部援助の整合性(alignment of external aid)」を進めています。これはパートナー国の制度、人材、手続き、ツールを教育支援の中心として活用すること、すなわち教育支援を相手国のセクター政策、戦略、計画だけでなく、より広範な政府機関や公的財務管理システムと整合させることを意味します。これは、教育省だけでなく、可能であれば、財務省、中央銀行、議会、地方自治体 のシステムや手続きとも連携することです。この仕組みにより、各国政府の説明責任が高められ、政策実施に対する共同責任が強化され、外部資金をより効率的に活用できるようになります。

セネガルの例
セネガルでは、GPEとフランス開発庁が共同で、 セネガルの教育訓練セクター計画の実施のためのセクター予算支援を行っています。このセクター予算支援は、国のシステムに完全に整合しており、特別な実行手続きを必要としません。その結果プログラム管理の面で追加の取引コストが発生することもありません。そのため、モニタリングや対話を行う対象は、国の制度や対象となる改革のみで良くなります。

セネガルのオウロソーギのProfessional Training Centerにおける、技術教育法のトレーナー養成。2021年3月。(Credit: UNESCO/ Bruno Deméocq)

教育への外部援助の整合性

セネガルの例

投稿日:
カテゴリー: 未分類

長谷部誠氏や有森裕子氏、井本直歩子氏など著名スポーツ選手らが参加 「Raise Your Hand」 キャンペーン

世界教育サミット(7月28日、29日開催。ボリス・ジョンソン英首相とウフル・ケニヤッタ・ケニア共和国大統領がロンドンで共同開催) に向けた『Raise Your Hand』キャンペーンでは、 長谷部誠氏や有森裕子氏、井本直歩子氏など著名スポーツ選手らが参加し、教育支援の必要性を呼びかけました。

GPEの『Raise Your Hand』キャンペーンは、世界で学校に通うことができない子供たちの80%以上が居住している、最大90の低所得国や地域の教育制度の変革を目的に、2020年10月にイギリスとケニアが共同で立ち上げたキャンペーンです。

本キャンペーンは、世界教育サミットに向け、世界中に教育支援を呼びかけるために実施されました。世界では ディディエ・ドログバ氏(元サッカー・コートジボワール代表)、ミシェル・オバマ氏、 エリウド・キプチョゲ氏 (東京五輪金メダリスト、マラソン世界記録保持者)氏など、世界の著名人がGPEを通した教育支援の必要性を呼びかけました。

日本では、長谷部誠氏(プロサッカー選手・日本ユニセフ協会大使)、有森裕子氏(オリンピック女子マラソンメダリスト)、井本直歩子氏(オリンピアン・途上国教育支援専門家)が参加し、教育支援の必要性を強く呼びかけました。また、スポーツ選手だけでなく、アカデミア、NGO、若者など多くの人々がGPEの支援のために立ち上がりました。ぜひ、ビデオメッセージをご覧ください。

「Raise Your Hand」キャンペーン 日本オリジナル動画
長谷部誠さん (プロサッカー選手・日本ユニセフ協会大使)

格差や貧困の根本的な問題は、僕自身もこの教育というところが非常に大きいと感じています。

井本直歩子さん (オリンピアン・途上国教育支援専門家)

引退後、現役時代からずっと興味のあった発展途上国支援の道に飛び込みました。そこでスポーツと同じくらい打ち込めるものに出会いました。それは、子どもたちの教育です。

有森裕子さん (オリンピック女子マラソンメダリスト)

私たちの住む、未来の地球を守るためにも、世界の子ども達の教育が必要です。

投稿日:
カテゴリー: 未分類

「2021年成果報告書」を発表。5年間の教育課題の進展と課題を振り返る

2016年から2020年までの戦略計画である「GPE 2020」の完了に伴い、「2021年成果報告書」では、「GPE 2020」の成果枠組みで設定された指標に対するパートナーシップの進捗と成果を紹介しています。

以下に成果の具体例を紹介します。

より多くの子どもたちが学ぶ

データが入手可能なパートナー国で2010年〜2015年の間に行われた学力調査と2016年〜2019年の間に行われた学力調査の結果を比較したところ、これらの国の70%において学習成果の向上が見られました。

より多くの子どもが訓練を受けた教師から指導を受ける

2015年には訓練を受けた教師1人あたりの初等教育の児童数が40人未満であるパートナー国が25%だったのに対して、2020年には39%に増加しました。

基礎教育修了率が増加し、男女格差も縮小

GPEパートナー国における男女の教育課程修了率の平均値の差は、初等教育で6.1%(2015年)から3.4%(2020年)に、前期中等教育では、9.9%(2015年)から7.2%(2020年)に減少しました。

G7外務・開発大臣会合で合意された女子教育に関する目標とGPEの取り組み

5月3日から5日にかけてロンドンにおいて行われたG7外務・開発大臣会合では、2026年までに更に4,000万人の女子を学校に通わせ、2,000万人の女子に10歳または小学校修了までに読解力を身につけるという、女子教育に関する新たな目標にG7が共同で合意しました。

G7で合意さえれた女子教育に関する目標の実現に向けてた、GPEの取り組みを紹介いたします。

GPEは、 すべての女子が質の高い教育を受けられるよう、パートナー国のジェンダー平等実現に向けて、資金援助を行っています。その一環として、女子が学校に行き学ぶ機会を変革することを目指し、2020年12月に2億5,000万米ドルの「女子教育アクセラレータ」を創設しました。

「女子教育アクセラレータ」の適格国は、2021927日現在、30カ国存在します。GPEのパートナー国における活動は「パートナーシップ・コンパクト」で示されている重点分野に沿って行われます。このコンパクトでジェンダー平等を対象としている国が適格国となります。

また、「女子教育アクセラレータ」は独立したグラントではありません。システム変革グラント(System Transformation Grant。GPE2020におけるEducation Sector Program Implementation Grant(ESPIG)がGE2025より改訂されたもの)またはマルチプライヤー (Multiplier)に追加で組み込むことができます。 「女子教育アクセラレータ」は、ジェンダー平等への効果を補完したり拡大したりすることで、これらのグラントにおける活動内容と連携して効果を発揮します。

9月15日付で、 GPE理事会議長・副議長が交代

ジャカヤ・キクウェテ氏とスーザン・リオトー氏(GPE事務局)

9月15日付で、前タンザニア連合共和国大統領のジャカヤ・キクウェテ氏がGPE理事会議長に、London School of Economics and Political Science評議会議長のスーザン・リオトー氏が理事会副議長に就任しました。

前タンザニア連合共和国大統領であったキクウェテ氏の就任は、GPEにとってパートナー国のリーダーシップと関与が重要であることを表します。キクウェテ氏は、タンザニア政府や国際機関、地域機関での卓越した公務のキャリアを通じて、教育や女性・子どもの健康のための先進的な政策の推進に尽力してきました。国際的なガバナンスと倫理の専門家であるスーザン・リオトー氏の理事会副議長への就任は、 GPEにとって、強力なガバナンスが重要であることを裏付けるものです。

これに伴い、2014年から7年間GPE理事会議長を務めたジュリア・ギラード氏と、2018年から3年間GPE理事会副議長を務めたセリネ・ムバエ・ティアム氏は、任期を終えました。両氏のリーダーシップのもと、 GPE理事会は拡大・多様化し、「世界で最も弱い立場にある子どもたちに質の高い教育を提供する」という共通のミッションのもと、関連パートナーを結集してきました。また、7月に行われた「世界教育サミット」は、 パンデミックにより教育が妨げられている世界中の何百万人もの子どもたちや若者にとって重要な成功であり、教育が復興の中心であることを確認する機会となりました。

GPEと、他の教育関連の国際機関やNGOとは何が違うの?

このコーナーではGPEに関してよくある質問にお答えします。

GPEは世界最大の教育に特化した基金でありパートナーシップです。他の機関と比べて特徴的なのが、パートナーシップといえます。パートナーシップにはグローバルなレベルと、国レベルの2つがあります。国レベルのパートナーシップの中心となるのが、右の図のように 途上国政府が主導し、現地の教育パートナー(二国間機関、多国間機関、教員団体、民間企業、財団など)によって構成される現地教育グループ(Local Education Group, LEG)です。LEGは途上国政府と対話しながら、教育セクター計画の策定、実施、モニタリング、評価などを支援します。

他の教育関連の国際機関やNGOでは、例えば学校建設や緊急下における教育支援など個別のプロジェクトなどが主な支援の対象です。一方、GPEは、途上国政府による主体的な教育システム改善のための、教育セクター計画の策定・実行を支えるLEGのパートナーシップや、教育セクター計画実現のための資金提供を含む、国際的な枠組みです。この枠組みを通して、その国の教育の質向上に包括的に貢献しているといえるのです。

世界教育サミットで、23のドナーから過去最高の40億米ドルを調達

左から ジュリア・ギラード GPE理事会議長、ウフル・ケニヤッタ ケニア共和国大統領、ボリス・ジョンソン 英国首相 (GPE/Michael Knief)

7月28日から29日まで 開催した世界教育サミット(ボリス・ジョンソン英首相とウフル・ケニヤッタ・ケニア共和国大統領がロンドンで共同開催)で、GPEは23のドナーから過去最高となる40億米ドルの資金を調達しました。このサミットの成功は、世界の低所得国における子どもたちの教育の確保に向けた国際社会のコミットメントを示しているといえます。

(ページ下の表は世界教育サミットでのドナー国からのプレッジ金額の一覧)

世界教育サミットは、ドナー国やパートナー国の首脳と閣僚、企業や民間財団の代表、国際機関、 国際開発金融機関、NGO、教師組合、若者リーダーなども、ロンドンとバーチャルで参加しました。今回の世界教育サミットではこれまでの増資会合と比べて特徴的な点が3点ありました。

1点目は、19のパートナー国の首脳が国家予算の少なくとも20%を教育に充てることを約束したことです。これはウフル・ケニヤッタ大統領が主導した教育資金に関する政治声明に基づくものです。この声明に賛同した国々による教育資金の合計は、今後5年間で1,960億米ドルにのぼります。これは、一方的に資金を提供するのではなく、途上国にも教育分野への公的支援へのコミットを求めるGPEの支援の特徴を表しているといえます。

2点目は、経済界と財団が合わせて1億米ドル以上の拠出を行なったことです。これには、Dubai Cares、LEGO財団、オープン・ソサエティ財団などが含まれます。また、官民連携の新たな2つのパートナーシップも立ち上がりました。これは民間企業のソーシャルマーケティングの専門知識を活用して女子の就学率の向上、エビデンスに基づく教育システムの改善推進のためのデータシステムの強化を目的としたものです。

3点目は、 国際開発金融機関との連携です。世界銀行、イスラム開発銀行、アフリカ開発銀行等からGPEとの連携に関する発言がありました。アジア開発銀行(ADB)は浅川総裁から、ADBの教育向けの年間支援割合を倍増し、2024年までに年間コミットメントの10%まで引き上げることや、 ブレンディド・ファイナンスを通したGPEとの連携強化を行うことに関する発言がありました。

日本からは茂木外務大臣からビデオメッセージを通して、教育分野でGPEへの支援の継続を含め、今後5年間で15億ドルを超える支援を行っていくことの表明と、G7外相会合で合意された女子教育宣言も踏まえ750万人の途上国の女子の教育及び人材育成のための支援を行うことについて約束を行いました。