
小森卓郎議員を訪問しました。
GPEユースの高橋さんは、フィリピンでの教育現場の話に触れながら、現地の人々が如何に日本の協力、知見共有に期待しているのか述べ、国際教育協力分野への更なる支援の必要を訴えました。
小森議員、お忙しい中お時間をいただき、親身に話を聞いていただき有難うございました!
小森卓郎議員を訪問しました。
GPEユースの高橋さんは、フィリピンでの教育現場の話に触れながら、現地の人々が如何に日本の協力、知見共有に期待しているのか述べ、国際教育協力分野への更なる支援の必要を訴えました。
小森議員、お忙しい中お時間をいただき、親身に話を聞いていただき有難うございました!
強力なパートナーシップは、教育を変革するGPEの活動の中核とな
っています。
マルチプライヤーを通じて、JICA とGPEはパートナーシップを深め、
日本の知識を活用して、パートナー国での教育の前進、学習危機
対策に取り組んでいます。パプアニューギニアとパキスタンでの活
動の模様がGPEのホームページ(英語)で紹介されましています。
こちらをご覧ください。
7月4日に開催された広島大学と筑波大学主催の「持続可能な開発目標達成に向けた国際教育協力日本フォーラム」(18th JEF for SDGs)にGPEユースの高橋真理奈さんが登壇しました。
フォーラムのプログラムはこちらです:
【テーマ】脆弱な立場に置かれている人々の 教育の質、学びの成果
【主催】広島大学,筑波大学
【後援】文部科学省,外務省,国際協力機構(JICA)
【スケジュール】
1) 開会挨拶、キックオフトーク
2)パネルセッション① (コロナ禍・ポストコロナ教育対応からの教訓)
ジョン・アーノルド(SEAMEO 副事務局⻑ プログラム・開発担当)
山脇智志(キャスタリア株式会社CEO)
西方憲広(JICA国際協⼒専⾨員))
高橋真理奈(GPEユース)
モデレーター…アントニス・マノス(UNESCO GEMリポートディレクター)
3)パネルセッション② (脆弱な⽴場に置かれた⼈たちの教育)
クアシス・シヤブ(ヨルダン教育省)
ロイズ・ギチュヒ(ナイロビ大学)
菊地翔(セーブザチルドレン)
モデレーター…日下部 尚徳(立教大学)
4)質疑応答・ディスカッション
5)閉会挨拶
高橋さんに当時のことを振り返ってもらいました。
今年のJEFは「脆弱な立場に置かれている人々の教育の質、学びの成果」をテーマとし、特にコロナ禍による「学びの損失」について、コロナ禍を通して教育はどのように変わったのか、脆弱な⽴場に置かれた⼈々へどのように教育の機会を提供できるかなど、ほかの登壇者とともに多様な視点からと議論しました。
登壇したパネルセッションでは「コロナ禍・ポストコロナ教育対応からの教訓」について、コロナ渦の学習を遮断させないためのユースの活動を紹介しました。
コロナ渦では、GPEの67のパートナー国のうち63カ国で休校処置がとられ、子どもたちは教育へのアクセスを失っただけでなく、栄養のある給食や衛生へのアクセスも失いました。テクノロジーを活用した遠隔授業が各地で実施されていましたが、GPEユースは、女子生徒や農村部の生徒など、より困難な状況にある子どもたちが取り残されないために、各国のリーダーへ手紙を届けたり、GPE公式ホームページへの寄稿を通して教育格差について声を上げました。
アフターコロナで教育が徐々に回復する中、パートナー国のユースは、このような災害が教育を妨げないこと、どのような状況にあっても子どもたちに教育が届く支援を続けてほしいと訴えていることを紹介しました。
ドナー国のユースとして、日本はG7首脳宣言で表明された敎育へのコミットメントを実現するため、積極的なリーダーシップを発揮すること、そして、教育危機を乗り越えるために、短期的な支援だけでなく、GPEフレームワークを活用し、現地で活動している他の援助機関・国際機関・NGO・民間・財団等と連携をしながら、長期的な政策・計画を基に教育制度を包括的に支援することを訴えました。
GPEでは現在約20ヶ国でおよそ40名のユースリーダー達が活躍しています。ユースリーダー達は、世界の教育の課題や開発について情熱を持つ18歳から30歳のメンバーで、ボランティアとしてGPEの活動に関わっています。
今回は昨年ユースリーダーとして活動していたOGの中野友絵さんに当時のことを振り返ってもらいました。
まずは中野さんの自己紹介からです。
中野「中学生ぐらいから貧困や格差に興味があり、高校の総合的な学習の時間に政府開発援助を研究していました。その経験から開発経済学・計量経済学を学びたいと思い、大学で経済学を専攻。在学中にトビタテ!留学JAPANに支援を頂き、イギリス留学、ガーナでのインターンシップを経験しました。その後は、教育経済学修士号取得。日本の通信事業会社に約4年間勤務した後、国連広報センターで広報インターンを経験。現在は国連人口基金のスリランカ事務所にてHumanitarian Project Officer(国連ボランティア)として勤務しています」
・昨年1年間、ユースとしてどんな活動をしましたか?また、活動を通して学んだことを教えてください。
中野「昨年、私はGPEユースとして、日本の国会議員の先生方に対してGPEを通じたパートナー国への教育支援の必要性を訴えるアドボカシー活動を行っておりました。当初はこんな私の声なんて聞いてもらえるのだろうかと不安しかありませんでした。しかし、時間を作って面談の機会をくださったほとんどの先生方が、真摯に若者の声に耳を傾けてくださいました。
この活動を通じて、声を上げることの大切さを学びました。また教育に情熱を持つ数多くの人々と出会い、一緒に活動できたことは私にとって生涯にわたる財産です。周りの方々から受ける日々の刺激、今何をすべきか、どうすれば最大限のインパクトを出せるのかといった問いに自ら真剣に考えることのできる環境が自分は好きなのだと気づけたことが、大きな学びだったと思います。」
・GPEユースの活動を今後自身のキャリアにどう生かしていきたいですか?
中野「将来的にはパートナー国の教育の質向上に貢献するため、エビデンスに基づく教育政策立案など領域での専門的なキャリアを追求したいと思っています。ただ今は誰も取り残されず、すべての人が自分らしくいられる世界を作っていけるように目の前のチャンスには全力でチャレンジしていきたいと思っています。
ただ実は既にユースの経験は今の新しいキャリアに十分生きていると感じております。例えば、今の業務の中でConcept Noteを書く機会を頂いていますが、これに初めて挑戦したのはGPEユースの時でした。また、GPEユースとしての活動は、グローバルな視野を養う機会でもありました。この経験は、国境を越えた協力と対話を通じて問題解決を試みるグローバルな環境で活躍するための基礎となったと思います。」
エチオピアの教育省がGPEに提出していたマルチプライヤーの関心表明書(Expression of Interest)が2023年6月に承認されました。
当該マルチプライヤーは共同出資者であるJICAからの資金(約8百万USドル)を基に、GPEのマルチプライヤー資金(約2百万USドル)と合わせ、合計10.7百万USドルが承認されました。
エチオピアのマルチプライヤー事業では、紛争の影響が色濃く残るティグレイ州、アムハラ州を中心に、教育関連施設の修繕・改修を行います。実施にあたっては、共同出資者であるJICAが中心となり、現地のグラント・エージェントであるUNICEFエチオピア事務所と協働しながら取り組みます(詳細はインタビュー記事を参照)。
GPEマルチプライヤーの枠組みを活用することで、JICAとUNICEFが協働的に現地の教育問題に取り組み、連携を通じて支援の効果が高められることが期待されます。 GPEが推進する「パートナーシップ」:援助協調がJICAと共に実現できる良い例とも言えます。
マルチプライヤーが承認されたエチオピアのグラントエージェントはユニセフのエチオピア事務所です。
その副代表は日本人の篭島真理子さん。 篭島さんに、エチオピアの子どもたちが置かれている状況や、今年1月に鈴木憲和議員と鈴木貴子議員がエチオピアの視察に訪れて下さった時のエピソード、マルチプライヤーによってエチオピアの子どもたちにどんな支援が出来るようになるのかを伺いました。
インタビューの前に、エチオピアの教育事情をお伝えします。
エチオピアの教育事情:学校へアクセス出来ない子が多数
エチオピアは人口約1億2000万のうち、約70%を25歳以下が占めている若者が多い国です。しかし約3000万人の子どもたちが学校(幼稚園~中学卒業まで)に行かれていません。
背景にあるのは、男児は労働力として仕事に従事し、女児は小さいころから水汲みなどの家事を任されていることや児童婚があります。特に児童婚が思春期の女子の教育に及ぼす影響が大きくなっています。
鈴木憲和議員、鈴木貴子議員のエチオピア視察
エチオピアの教育支援で印象に残ったエピソードを伺うと、今年1月に鈴木憲和議員と鈴木貴子議員が視察に訪れ、議員のお二人と一緒に、学校に来ている子どもたちとその親たちとゆっくり話す機会があったことだという篭島さん。子どもたちの置かれている状況を深く理解することが出来たからだそうです。その中から特に印象的だった会話を教えてくれました。
親たちの言葉
内戦を経験した父親の一人が、「僕らは自分たちを表現できる言葉がなかった。教育がなかったから武器を持って戦ったけれど、もし教育を受けていたら言葉で解決できたと思う」と話していたこと。また、母親の中で「私は字を書くことも読むことも出来ないけれども、教育が大切なことは分かる。なぜかというと、あなたたちは私たちの前に座って話をしているから。私たちは教育を受けていないから、そういう立場に絶対なれない。だから自分の子供たちには教育を受けさせて、そういう立場になれる人間になって欲しい。どんなことがあっても私は子どもたちに教育を受けさせる」という想いを語ってくれた人がいたそうです。
篭島さんは、親は期待を持って、自分たちの犠牲を払って子供に教育を受けさせている。その中で教育の質を上げないと学校に対する不信感や絶望感を抱いてしまいかねないと、ソフト面での支援の大切さも話していました。
支援する国の大変さ
また、議員の先生方との会話を通して、支援をする側の大変さも感じたといいます。
自分たちはいつも支援してもらう立場。議員の先生方は国民の理解を得ないと支援に充てるお金が得られない。日本にいる大変な思想いをしている人たちの理解を得た上で、パートナー国への援助をしてもらうことの難しさも学んだそうです。 ちなみに、議員の先生方と訪問した学校では、11歳で結婚し、離婚したのち学校に戻ってきた14歳の女の子にも出会ったとのこと。児童婚は身近にあることを感じた瞬間だったと振り返っていました。
GPEマルチプライヤーで出来るようになること
GPEのマルチプライヤーを使って、まずは、紛争で約2250校ある学校のうち1987校が壊された 北部へ行き、JICAと共に建設や学校の修理をしていくそうです。また、ユニセフは同じ地域での教師教育や子どもたちのメンタルケアなどソフト面でも活動していく予定だとのこと。
北部のディグレイ州では、新型コロナの影響で学校が2年間閉鎖し、その後は内戦が勃発。国内避難民がシェルターとして、また軍が基地として多くの学校を使用しました。そんな中で子供たちは4年間も学校へ行けない状態にありました。今年5月に学校が再開されたものの、学校の破壊、教師の不足、そして地雷や不発弾の危険からすべての子供たちが学校に戻れている状況ではありません。その間に教師の人数も半分近くに減ってしまったとのこと。大変な状況に置かれている子どもたちが教育の場に帰って来られるように多方面から環境を整えていくそうです。
篭島真理子(かごしま まりこ)
ユニセフ・エチオピア事務所副代表。日本の大学卒業後教員に。ウォーリック大学国際比較教育修士号。1998年JPOとしてユニセフメキシコ事務所へ。その後Education Officerとしてユニセフ職員に。アフガニスタン、アンゴラ、ウガンダなどで勤務。2022年10月から現職。
GPE資金の管理・執行を担う資金運用機関のこと。
政府や他のパートナーと緊密に協力して、資金プログラムが教育セクター全体の計画や政策、制度と整合しているか、適切に設計されているかなど確認しています。グラントエージェントになるには、財務管理や組織能力などいくつかの基準を満たす必要があります。その上で、現地の政府によって選ばれます。
現在、GPEでは下記のポストの採用を行っています。ご応募お待ちしております。
・イベントアシスタント:7月28日締切
・シニアチェンジマネージメントスペシャリスト:8月4日締切
・コミュニケーションコンサルタント:8月4日締切
・イノベーティブファイナンスリード:8月11日締切
・シニアアドバイザー(スウェーデン):8月27日締切
・シニアアドバイザー(デンマーク):8月27日締切
・シニアアドバイザー(ノルウェー):8月27日締切
・カントリーエンゲージメント&ポリシーチーム:8月31日締切
GPEの多様なステークホルダーが構成する現地教育グループ(LEG: Local Education Group)を取り纏める調整機関のこと。
パートナーシップのファシリテーターとして、GPEのビジョンやミッション、目標を達成するために重要な役割を担っています。日本関係では、在モンゴル日本国大使館がモンゴルにおけるCAとして、また、JICAはパプアニューギニアでCAとして他機関との調整役を担っています。
2022年9月に行われたGPEの理事会で、ウガンダ教育省に対する追加の資金供与が承認されました。
この追加資金供与は、ウガンダ教育省からプロポーサルを受けるも、一度は保留にされていたものでした。どのような理由で保留となった後、資金供与が承認されたのでしょうか。
GPEはパートナー国のオーナーシップの下に資金供与を行うことを重要理念として掲げています。そのため、パートナー国政府自身が教育の重要性を認識し、教育環境の改善のために尽くすコミットメントがあることが、GPEの資金を受ける際の条件です。このことは、パートナー国の自助努力を促すという意味に加えて、ドナー国など資金の拠出元に対するアカウンタビリティを確保するという意味でも重要です。
それでは、実際どのようにパートナー国の教育に対する「コミットメント」を測っているのでしょうか。
今回はウガンダの事例を紹介します。国が抱える歴史背景や時々の国際情勢によって各国の財政状況は大きく異なるので、一概には言えませんが、一つの指針としてGPEが掲げているのは、途上国政府が国内予算の20%程度以上を教育予算に充当することがあります。ウガンダ教育省がGPEに対して追加の資金供与を要請した際、当初はウガンダ国内予算の内、教育に充てられた予算が全体の17%しか占めていなかったため、追加資金供与については決定が保留され、GPEの理事会の承認が下りませんでした。
この理事会での決定を受けて、ウガンダ政府は国内予算の見直しを行い、教育に充てる予算を19%に引き上げました。予算をこれだけ増額するというのは、一つの「コミットメント」の現われであると考えられます。ウガンダ政府側の予算見直しを受け、GPE理事会で保留していた追加の資金供与が承認されました。
このウガンダの例は、国内予算編成により教育へのコミットメントが示されたわかりやすい例です。
こうした仕組みを通じてコミットメントを促すことは、教育予算の拡充につながり、当該国において教育の重要性が高まるという波及効果も期待されます。一方、昨今の厳しい国際情勢も踏まえて、最近は20%程度の教育予算を充てるという条件に限らず、他の条件も検討されています(例えば教員の採用人数を増やすこと、など)。
GPEの特徴は単なる基金ではなく、パートナーシップ基金であることです。ドナーから調達した貴重な資金を、効果的に、効率的に使うことと、厳しい状況に置かれた途上国の実情を把握しながら、パートナー国のオーナーシップの下に資金供与することの両輪をマネージするのが、GPE事務局の重要な仕事です。