開発教育分野の潮流「教育システムの変革」とその日本との関係性

アントニオ・グテーレス国連事務総長とジャカヤ・キクウェテGPE理事会議長(Credit UN Photo/Eskinder Debebe)

第4回国際教育の日には、日本政府によるGPEへの拠出の発表以外にも、教育に関連する様々な団体・機関が、平和と発展に教育が重要な役割を果たすことを記念して、多くの発表やイベントを開催しました。

国際教育の日には、 アントニオ・グテーレス国連事務総長が、 各国の教育システムの変革に向けた革新的なアプローチを確認するため、今年の9月に「Transforming Education(教育の変革)」をテーマとしたサミットを開催することを発表しました。 GPEのマンデートは、途上国政府の能力強化を目指し、教育制度を変革してより持続可能な教育サービスを提供できるように支援を行うことであり、本サミットにおいても中心的な役割を果たす予定です。また、6月にはパリで、本サミットに向けた外務大臣レベルの会合が行われる予定です。

日本では、2015年9月に「持続可能な開発のための2030アジェンダ」採択に係る国連サミットにあわせ、 開発教育分野における戦略である「平和と成長のための学びの戦略」を発表しました。それから約7年、近年のCOVID-19の流行による世界中の教育システムの混乱、イノベーションの進化、気候変動の危機など多くの変化がありました。アントニオ・グテーレス国連事務総長は、「従来の教育システムでは、すべての人にとってより環境に優しく、より良い、より安全な未来を創造するために必要な知識、スキル、価値を提供することが難しくなっている」と言っています。世界の教育開発の潮流は、「教育システムの変革」へと向かっています。日本の開発教育分野の戦略の見直しに向けて、GPEもぜひ共に考えていきたいと思っています。

「教育システムの変革」に向けて、GPEでは国際教育の日に様々な発信を行いました。以下に一部を紹介します。「ジャカヤ・キクウェテGPE理事会議長の国連ニュースの独占インタビュー」「国連のプレスブリーフィングでチャールズ・ノースCEO代理が記者会見

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アリス・オルブライトGPE CEOの退任声明

アリス・オルブライトGPE CEOがYokon-Gbeme小学校を訪問

アリス・オルブライトGPE CEOがミレニアム挑戦公社(Millennium Challenge Corporation。2004年に米国議会によって設立された貧困削減を目的とした米国の対外援助機関)の長官就任のため2月15日にGPEを退任します。退任にあたり発表された声明を紹介します。

9 年前、私はGPEのCEOに任命された際、身の引き締まる思いと共に、大変光栄でした。それ以来、献身的な各国のパートナーや支援者とともに、GPEは世界で最も疎外された子どもたちのために多くのことを成し遂げてきました。私はこの素晴らしい組織を離れ、世界の貧困削減に取り組むミレニアム挑戦公社の指揮を執ることになり、GPEと私は共に新たな章を歩み始めます。

GPEの成果、成長、政治的関与を振り返る前に、GPEが支援する子どもたちについて取り上げたいと思います。私はこれまで、ミッションで学校を訪問する中で、たくさんの子どもたちと出会ってきました。質の高い教育を受け、成長している子どもたちの顔です。まず、バーシャを紹介します。

ネパールの田舎町マホッタリ地区に住むバーシャは、弟妹と家畜のヤギの世話をしなければならなかったため、学校に行っていませんでした。しかし、ある革新的なプログラムによって、バーシャの両親は彼女を1日2時間の非公式の補習クラスに通わせることにしました。 9ヵ月後、彼女は多くのことを学び、他の12歳の子どもたちと同じ学年の普通学校に通えるようになったのです。現在、バーシャの夢は教師になること。文字通り、教育が彼女の人生を変えているのです。

大陸を隔てたモーリタニアの首都ヌアクショット郊外にあるタルヒルで、アイシェトゥは家族と一緒に暮らし、地元の小学校に通っています。GPEは、多くの子どもたち、特にアイシェトゥの姉ような、少女たちの中学校進学が困難な地域において、政府による「proximity schools」の建設を支援してきました。アイシェトゥはこのようなコミュニティ・スクールのひとつで8年生に入学し、活躍しています。

バーシャとアイシェトゥだけではありません。20年近く前にGPEが設立されて以来、私たちのパートナー国では、以前の2倍の少女達を含め、1億6000万人以上の子どもたちが学校に通うようになりました。これは、教育省、市民社会団体、教師、企業グループ、財団、その他のドナーを含む多くのパートナーの支援なしには実現しなかったでしょう。本当に感謝しています。

GPEは結果を出すことに徹底的にこだわり、その結果、パートナー国の70%で学習成果が向上しています。さらに、私たちは男女の格差を縮めています。男子と女子の初等教育修了率の差は、5年前の6.1%から現在は3.4%に減少しています。現在、GPEはジェンダー平等を運用に組み込み、新戦略計画のもと女子教育へのグラントを設けており、この分野での飛躍的な成長が期待されます。

(中略)

GPEは、何が有効であるかに焦点を当て、機敏で野心的であり続け、危機感を持って活動することで、進展を加速させることを約束します。 このような活動を行うことができるのは、 パートナーシップの能力の幅と深さのおかげで、 GPEがこれまで多くのことを成し遂げてきたためです。そして、「どうすればもっとうまくいくか」を常に自問自答しているからこそ、成功し続けているのです。私がパートナーシップの未来に大きな楽観と自信を感じることが、 GPEには多くあります。その大きな要因の1つは、GPE事務局の非常に献身的で才能豊かなチームであることです。これほど弾力性に富み、賢く、献身的な人々 ー様々なバックグラウンドを持ちながらも、より多くの子どもたちがより良い教育を受けられるようにするという唯一の目標に向かって団結しているー と仕事をしたことはありませんでした。

GPEの仲間たちと一緒に働けたことは本当に光栄でしたし、私がGPEにいた間に達成したすべての成果は、彼らの努力によるものです。 この素晴らしい組織を去るにあたり、私はパートナーシップの能力によって人生が左右される少年少女たちを中心に、何度も何度も挑戦に立ち向かいながら GPEが大規模な変革を推進する姿を、今後も見ていくことになること確信しています。

声明の全文はこちら

デンマークとレゴ財団、GPEの女子教育アクセラレーターに1,500万米ドル超をプレッジ

エチオピア、2019年1月。授業中に教科書を共有するMakbel Henokさん(左)とクラスメート。Makbelは7歳(2年生)。(Credit: GPE/Alexandra Humme)

GPEではデンマーク外務省とレゴ財団から新たに1億デンマーククローネ(約1,500万米ドル)のプレッジを受けたことを感謝いたします。

GPE最大の財団寄付者であるレゴ財団からの新たなプレッジにより、女子教育アクセラレータへのプレッジに、2021年7月の世界教育サミットの700万米ドルから追加され、総額1,500万米ドルとなりました。これは、すべての女子と男子に平等な教育機会を提供するためのGPEの活動を支援するという、財団の力強い取り組みを示しています。革新的資金調達の仕組みである「GPE Match」を通じて、GPEはレゴ財団のプレッジを2倍の金額にし、より多くの女子が学校に通い学習できるようにするための財団の貢献の影響を大きくします。 「GPE Match」 は、経済界や財団からの寄付金に同額を上乗せするインセンティブメカニズムです。

FlemmingMøller Mortensenデンマーク開発協力担当大臣のコメント「このイニシアチブは、私たちの新しい開発戦略の一環として、官民パートナーシップを通じて資金を動員したいというデンマークの願いの具体例です。」

英語の全文はこちら

日本政府、「教育のためのグローバル・パートナーシップ(GPE)」に800万米ドル超の拠出を表明(プレスリリース)

イエメン。サヌアのカルディ校で学年末試験を受ける生徒たち。(Credit: Bill Lyons/ World Bank)

2022年1月24日ワシントンD.C.

教育のためのグローバル・パートナーシップ(GPE)は本日、日本からの約850万米ドルのプレッジに感謝の意を表しました。

「この資金は、特に紛争の影響を受けている最も弱い立場にある子どもたちを支援するものです。」とアリス・オルブライトGPE最高執行責任者は述べています。「日本が引き続き世界の教育に関与し、すべての子どもたちが学ぶことができるよう支援することを期待しています。」

資金の大半は紛争中の国々に割り当てられ、約620万米ドルがイエメン、約160万米ドルがシリアの支援に用いられる予定です。これらの資金は、現在進行中の紛争、暴力、食糧不足により生活に深い影響を受けている最も脆弱な立場にある子どもたちの、継続的な教育支援に役立てられます。

残りの約70万米ドルはGPE基金として用いられ、各国が教育セクター計画を策定・実施することを支援する予定です。今年のプレッジは、2021年の日本のプレッジである720万米ドルを上回るものです。

「我が国は、紛争影響国の子ども等、最も脆弱で不利な立場に置かれた人々への教育支援を喫緊の課題として重視しており、今般のイエメン、シリアの教育支援を含むGPEへの拠出により、これら厳しい状況にある子供たちの教育へのアクセスが維持されることに貢献したいと心から願う。」と塚田玉樹在米国日本国大使館特命全権公使は述べています。「日本は引き続き国際社会と連携し、SDG4「質の高い教育を皆に」の達成に向け、教育分野の支援を強化していく。」

このプレッジは、第4回教育の国際デーに行われました。教育の国際デーは、国際社会にとって、教育が平和と発展のために果たす役割を称え、すべての子どもたちが質の高い教育を受けられるようにするための重要な機会です。

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ご参考

2021年7月にロンドンで開催されたボリス・ジョンソン英国首相とウフル・ケニヤッタケニア共和国大統領の共同開催による世界教育サミットでは、GPEのために過去最高の40億米ドルの拠出がドナーから行われました。2025年までに最大1億7,500万人の子どもたちが学び、さらに8,800万人の少女と少年が学校に通うことができるよう、GPEは少なくとも50億米ドルという目標達成に向けて更に歩みを続けてまいります。

教育のためのグローバル・パートナーシップ(GPE)について

GPEは、世界の学習危機を終わらせるための共通のコミットメントです。GPEはパートナーと資金を動員し、76の低所得国が教育システムを変革し、すべての少女と少年がその潜在能力を最大限に引き出し、より良い世界の構築に貢献するために必要な質の高い教育を受けられるよう支援しています。www.globalpartnership.org

本件及び取材等に関するお問い合わせ先

Tamara Kummer(GPEメディア部門責任者) tkummer@globalpartnership.org, + 33 7 82 26 07 18

英語のプレスリリースはこちらをご覧ください。

日本政府によるエチオピアとスーダンの支援:コロナ禍でも学びを継続するための、革新的な取り組み

スーダンのハルツームにあるアスフィアバドル基礎女子学校の3年生の生徒たち。(Photo credit: GPE/Kelley Lynch)

COVID-19がもたらす未曾有の教育の問題には 革新的な解決が必要です。エチオピアとスーダンでは、GPEのグラント(無償資金協力)を受け、児童生徒の学習の継続や学校再開に向けた革新的なアプローチをとっています。これは、日本政府の支援によるものです。

日本政府は去年の補正予算からエチオピアとスーダンにイヤーマークをし、GPEを通した支援を行っています。エチオピアとスーダンは、GPEによる新型コロナウィルス対策支援の対象となった66か国のうちの2か国です。GPEによるグラントの総額はそれぞれ、エチオピアはUS$15,000,000(そのうち日本政府は補正予算からUS$3,750,000を拠出)、スーダンはUS$11,000,000 (そのうち日本政府は補正予算からUS$2,750,000を拠出)です。

エチオピアとスーダンの教育システムは、新型コロナウィルスにより深刻な影響を受けました。エチオピアでは、 2020年3月15日に全ての学校が無期限で閉鎖し、2600万人以上の生徒が影響を受けました。スーダンでも、 2020年3月14日以降全ての学校が閉鎖し、推定620万人の生徒が影響を受けました。一時的な休校は、特に通常でも早期退学が多い農村部において、脆弱な世帯の子どもたちが二度と学校教育に戻れなくなる可能性があります。また女子は男子に比べ、一度教育の機会を失うと学校教育から永久に離れる可能性が高く、10代の妊娠率も増加すると予想されます。GPEを通じた日本の支援により、コロナ禍での児童生徒の学習の継続や、学校の安全な再開に向けた取り組みが行われています。

このグラントにより、エチオピアでは学齢期の子ども達、スーダンでは基礎教育レベルの約540万人の子ども達と33,000人の教師が恩恵を受けます。学校の閉鎖は、たとえ緩和策を講じたとしても学習の進捗を遅らせる結果となり、特に恵まれない子ども達にとっては深刻な問題となります。GPEでは国の状況に応じたテクノロジーの活用により、学習のアクセスや質を上げる取り組みに引き続き貢献していきます。

グラントによる2カ国の支援内容の紹介(一部)

エチオピア

就学前段階から高校までを対象にラジオやテレビの教材の制作と放送、ワークシート、練習問題、テストや解答の作成(必要に応じて少数民族の言語に翻訳)/不利な立場にある生徒(牧畜民の女子生徒、最貧困家庭の生徒など)への特別な遠隔学習教材の開発と配布、ラジオやタブレット端末のハードウェアの提供/通信教育、安全、休校中の心理社会的サポートに関するコミュニケーション/教師向けに、学校の再開時の学習評価の実施、加速授業や補習授業の実施と進捗のモニタリングに関する研修/COVID-19の再発防止目的の学校における水、衛生設備および習慣の改善、保健用品や個人防護具の支給

スーダン

基礎学校の生徒(1年生から8年生)を対象としたラジオやテレビ教材の放送新聞のコラムで生徒にアラビア語と数学の課題の配布、生徒の解答を各公立学校に設置されたドロップボックスに保護者が投函、教師による課題の採点と、結果のSMSおよびWhatsAppによる提出/COVID-19予防のためのラジオ啓発キャンペーンの実施/COVID-19助成金の提供(課題を採点した教師への報酬、生徒とのコミュニケーションのための教師用携帯電話等の購入、課題を多く達成した生徒への表彰、石鹸と水の購入、チョーク、ペン/鉛筆、紙当の購入等)/学校再開時の生徒の評価や補習プログラム、学習機会の提供

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2021年12月の理事会におけるGPE理事会議長の発信

GPE理事会議長ジャカヤ・キクウェテ氏。(Credit: GPE)

2021年12月7日から10日にかけてGPEの理事会がオンラインで開催され、GPEにとって重要な複数の事案が議論、承認されました。

GPE理事会議長と副議長は理事会の冒頭で、 新型コロナウイルス感染症により学習危機への対応が後退していることへの認識を示し、最も必要な子ども達に教育を届けるために、機敏さ、適応性を重視し、既成概念にとらわれない考え方で、理事会が対応の水準を高める必要があることを呼びかけました。以下に理事会の議題の一部を紹介します。理事会ではさらに多くの議題が議論されました。詳しくはこちらをご覧ください。

GPE2025の運営モデル:GPEの全活動へ人権の強化やジェンダー平等の観点を導入した GPE2025運営モデルのパイロット6カ国での展開に関する、最新情報が共有されました。

GPEマルチプライヤー:GPEマルチプライヤーの指標となる配分を承認する権限を事務局に委譲することを承認、配分確保に必要な時間短縮につながりました。またマルチプライヤーへのアクセスが困難な国々に新たな協調融資の選択肢を提供する革新的な資金調達方法である「先行型協調融資」の運用アプローチも承認されました。

2021 成果報告書: 前戦略計画である「GPE2020」の期間を対象とした2021年成果報告書に関して、学習成果の向上、ジェンダーギャップの解消、教育資金の増加における進展が示されました。

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GPEとアラブ・コーディネーション・グループは、5億ドルの革新的な教育資金に関するイニシアチブの創出を発表

RewirEd Summitに登壇するGPE理事会議長のジャカヤ・キクウェテ氏

12月12~14日に開催されたRewirEd Summit(Dubai Cares主催)で、GPE理事会議長のジャカヤ・キクウェテ氏とイスラム開発銀行は共同で、5億ドルの革新的な教育資金に関するイニシアチブである「Smart Education Financing Initiative」の創出を発表しました

このイニシアチブは、 GPEとアラブの金融開発機関の集合体であるこのイニシアチブは、 GPEとアラブの金融開発機関の集合体であるアラブ・コーディネーション・グループ(ACG)が開発したものです。革新的な資金調達の仕組みであり、GPEマルチプライヤーで動員される1ドルに対して4ドル、最大で4億ドルを提供します。ACGとGPEの資金を合わせると、非就学児童生徒2,800万人がいるイスラム協力機構の37カ国に対して、総額5億ドルの教育資金を提供することができます。

GPEは、各国政府が国内教育予算の量、効率、公平性を高めることで、最も重要で持続可能な資金源である教育への国内資金をより多く、より良く活用できるよう取り組んでいます。また教育とテクノロジーの重要性を理解し、より幅広く多様なドナーからの資金の動員を目指しています。

RewirEd Summitは EXPO 2020 Dubaiの一環として開催されました。豊かな未来のために教育を見直すという共通の目標のもと、政治、多国間機関、ドナー、CSO、財団、ビジネス、学術界から主要な関係者が集まり、議論が行われました。

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東京栄養サミットプレイベントに向けたアリス・オルブライトCEOのスピーチ

RESULTS JapanとWFP共催により、 12/6(月)に東京栄養サミット2021のプレイベントが開催されました。会場では、アリス・オルブライトCEOによるスピーチが日本の学生・ユースの笹川大輔さん(創価大学)により代読されました。

アリス・オルブライトCEOによるスピーチ全文(日本語)

日本の国会議員の皆様、RESULTS JapanとWFPの皆様、そしてご来賓の皆様、こんにちは。日本政府が東京栄養サミット2021と教育のためのグローバル・パートナーシップ「GPE」をご支援していただいていることに感謝申し上げます。そして、このような場でお話しできることを大変嬉しく思います。

子ども達が栄養のある食事をとることと、質の高い教育を受けることには、深いつながりがあります。子どもが食事をとることで、よりよく学ぶことができるようになります。また、教育を受けた子どもは、より健康である可能性が高くなります。 この好循環により、命が救われ、人々はよりよく生きることができるようになるのです。

しかしながら、本日では何百万人もの子どもたちが、十分な食事を得られず、学習の機会を奪われています。低所得国の7,300万人の子どもたちが、毎日空腹のまま学校に通っているという事実には衝撃を受けます。空腹であれば、学習に集中することがいかに難しいかは、研究を重ねた科学者でなくても理解できるはずです。

すべての子どもたちが本来持っている自身の可能性を最大限に発揮できるようにするには、教育だけでなく、健康と栄養にも投資する必要があります。教育のためのグローバル・パートナーシップ「GPE」は、まさにそれを実現しています。

私たちは、低所得国の子どもたちに質の高い教育を提供することを目的とした、世界で唯一のパートナーシップおよび基金です。政府と協力して教育制度の改革を行い、現地で活動をしている開発団体・民間・財団等と協力して学校給食やその他のプログラムを支援しています。

昨年、GPEは、新型コロナウイルス感染症による影響に対応し、その回復を支援するために、23カ国の栄養に関連するプログラムに支援を行いました。さらにGPEは国連、WFP、その他マルチの機関による新しいパートナーシップ、「学校保健と栄養の強化」に参加しました。そのパートナーシップでは、GPEは、栄養に関連する支援におけるエビデンスや好事例の共有を支援しました。

なぜなら、明らかなことが1つあります。学校給食プログラムにより、子どもたちが学校に通い、学ぶことができるということです。なぜ、それが重要なのでしょうか。

なぜなら、教育を受けた子どもたち、特に女子は、家族が貧困から抜け出すのを助け、そしてその家族はより健康になるからです。しかし、女子たちはしばしば教育を受ける機会を失っています。健康状態の悪さ、ジェンダーに基づく暴力、女子に優しい学校の衛生施設の不足、差別など、理由はさまざまです。

私の言葉をそのまま受け取るのではなく、ぜひ、数値をみてください。世界中で2億6千万人の少女と少年が学校に行っておらず、さらに数百万人が学習できていません。私たちはこの現実を受け入れることはできません。私たちには、行動を起こす、道徳的な義務があります。

日本は、学校に栄養プログラムを取り入れるという点で世界の見本になっています。そして日本の学校給食プログラムに取り入れられている「食育」は、開発途上国のモデルとなっています。多くの国が日本から学べることはたくさんあります。でも、日本にできることもたくさんあります。

私は、日本政府がGPEとのパートナーシップを深め、日本が行っているグローバルな活動をGPEへの意欲的な貢献に結びつけることを強く求めます。私たちは、世界の最も貧しい子供たちに教育を施すために50億ドルの資金を集めようとしています。それには、日本の協力が不可欠です。

ともに、すべての子ども達の教育と未来を変えていきましょう。

ありがとうございました。

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GPEによる栄養と教育に関する取り組み

東京栄養サミットで日本は、今後3年間で3,000億円の支援を実施することを表明し、途上国の栄養状況改善に向けたリーダーシップを示しました。 また、サミットの中では、日本が長年の実績を持つ学校での食育の推進などの経験や実践が海外でも着目され、開発途上国での栄養改善に向けた取り組みにも活用されていることなど、日本による世界の栄養改善の貢献にも焦点が当てられました。

GPEでは、WFPやその他のパートナーと協力し、最終的にはその国の資金で政府自身が運営できることを目指し、学校給食プログラムを設計・実施するための各国の取り組みを支援しています。 2020年にはCOVID-19の影響緩和を目的に8カ国の栄養プログラムに130万ドルを、さらにCOVID-19からの回復支援を目的に15カ国の栄養プログラムに680万ドルを提供しました。

さらに、GPEでは2030年までに全ての子どもに健康的で栄養価のある給食の提供を行うための新たなイニシアチブ、「学校給食連合(School Meals Coalition)」に加盟しました。この連合は60カ国以上、55のパートナーで構成され、学校給食の質の向上と学校給食システムの強化を目指しています。GPE以外ではWFP、FAO、UNICEF等の国際機関も加盟しています。GPEでは学校給食プログラムへの投資を通して、 子ども達の身体的・認知的な発達に不可欠な、健康的で栄養価の高い学校給食の提供に貢献し、 最も脆弱な子どもたちを支援しています。

事例紹介(セネガル): コロナ禍でも学校給食が生徒の学びを後押し

セネガルでは、COVID-19対応の一環として、GPEとWFPの支援を受け、「学校給食プログラム」を開始しました。これは、健康危機による児童生徒の教育への影響を緩和し、脆弱な児童生徒の学習の継続を支援することを目的としています。詳細はこちらをご覧ください。

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こども庁創設に向けた、インドネシア・英国へのヒヤリング

29日に「こども政策の推進に係る有識者会議」より提出された報告書を踏まえ、政府はこども庁の2023年度創設に向けた基本方針策定に向けて動き始めました。GPEは、こども庁創設に向けた動きを支援するため、山田太郎議員と自見はなこ議員の依頼を受けて、英国・インドネシアにヒヤリングを実施しました。

こども庁創設に向けた議論の背景

日本では、今年の9月16日には内閣官房にて「こども政策の推進に係る有識者会議」が発足、岸田文雄首相のもとで、こども庁創設に向けた担当大臣として野田聖子議員が任命されました。また11月29日には有識者会議より岸田首相に「こども基本法(仮称)」の制定などを求める報告書が提出され、政府がこども庁の2023年度設置に向けた基本方針策定に向けて動き始めています。

日本ではこのように、こども庁設置に向けた動きが加速していますが、諸外国では既にこどもに関する政策について進んだ取り組みを行っている国があります。GPEはこれまで、パートナー国において、子どもや若者の支援を教育政策の改革を通して行ってきました。また、質の高い教育の実現に向け、国際教育協力に関心のある世界各国の国会議員を結ぶ、国際教育議連(IPNEd)とも深い関係を築き、世界中の国会議員を繋いで教育課題についてお互いに議論し、学びあう場を設けてきました。GPEでは今回、こども庁設置に向けて取り組んできた、山田太郎議員と自見はなこ議員の依頼を受け、こども庁設置に向けた設置法案の検討のために、インドネシアと英国へのヒヤリング支援を行いました。

インドネシアへのヒヤリング

インドネシアは、政府系の非営利シンクタンクであり、LEG(Local Education Group)のメンバーでもあるPSPKとインドネシアの教育におけるこどもの福祉について議論を行いました。本ヒヤリングには、内閣府と外務省(国際協力局とアジア大洋州局)からもご出席いただきました。PSPKからは、教育におけるこどもの福祉政策を推進するために、児童生徒の学習環境のサーベイも含んだ全国テストの導入や、テストの点数だけでなく、児童生徒の幸福と個性を重視した新カリキュラムの策定などの取り組みが共有されました。

英国へのヒヤリング

英国からは、過去に教育大臣などを歴任したスティーブン・ツイッグ氏(英連邦議会協会事務局長)、スコットランド第一大臣や、教育大臣などを歴任したジャック・マコネル卿議員に参加いただきました。また、当日参加できなかったティム・ロートン議員には事前にお送りした質問への回答として、ビデオメッセージをお送りいただきました。

山田議員からは、こども庁の機能として、省庁間の「縦割りの壁」、国家、都道府県、地方自治体の各レベルにおける政策の「横割りの壁」、出産、幼稚園から小学校に上がる時、大人になる時の「年代の壁」の3つの壁を取り除くことを目指していることが示されました。またこれを受けて、子どもコミッショナーの設計、政府の調査権の設計、子どもに関する問題の発生を事前に把握する仕組みづくりの設計について、英国の国会議員へと質問が行われました。

スティーブン・ツイッグ氏とジャック・マコネル卿議員からは、それぞれ自身が教育大臣だった時の取り組みについて、具体的な政策事例を紹介していただきました。また、国際教育協力が政策において優先されるために、ハイレベルな政治の意思決定とそれに基づく政府・省庁間の政策の優先順位付けを行うことが大切であること、英国においては省庁の統合を行った結果、 外務・英連邦・開発省(FCDO)が新設され、子どものニーズと教育に責任を持つ役割の大臣の設置が規定されたことなどが共有されました。

参加者からは有意義な会であったとのコメントが聞かれました。GPEでは引き続きこども庁設置に向けた動きを支援していきます。

英国の国会議員へのヒヤリングの様子。2021年11月23日。