「平和と成長のための学びの戦略」改訂に向けた教育協力政策の評価の発表

2015年に発表された、開発教育分野の戦略である「平和と成長のための学びの戦略」の改訂が予定されています。その改定に向けて先日公開された、教育協力政策の評価についてレビューします。

2015年に策定された「開発協力大綱」の教育分野の課題別政策として「平和と成長のための学びの戦略」が日本の教育協力の政策文章として定められてから6年間が経ちました。今回教育協力政策が改訂されることとなり、その改訂に向け、教育政策の評価が行われました。

本評価では、評価の質の向上及び実効性のある提言を導き出すことを目的に、外務省、JICA、OECD等から発信された報告書等の文献調査、外務省、文部科学省、JICA、教育分野有識者、NGO、民間企業等へのインタビュー、オンライン現地調査、在外公館を対象として、幅広く調査が行われました。

本評価では、日本の教育協力の政策内容への提言として、以下のように、GPEへ一定規模の資金提供を行うことも示されました。GPEでは、日本が本提言に基づき、次期政策文章の改訂が行うことを望み、そのためにGPEでは全面的に日本に協力していく所存です。

「 地球規模課題に対応するために、教育協力におけるネットワーク型アプローチ、多国 間・二国間援助機関との連携強化を継続することが重要である。そのためにも、GPEなどのグローバルファンドに一定規模の資金提供をすることや、財政支援を含む多様な援 助モダリティを維持し、現地のニーズに柔軟に応じた協力を実施するなどの点を盛り込 む。」

教育協力政策の評価(第三者評価)全文 別冊

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慈善財団とGPEとの連携の促進:LEGO財団の事例

授業中に教科書を共有するMakbel Henokさん(左、7歳、2年生)とクラスメイト。エチオピア、2019年1月。(Credit: GPE/Alexandra Humme)

GPEでは慈善財団との連携を進めています。その一つとして、今回はLEGO財団とGPEの連携事例を紹介します。

LEGO財団はデンマークに拠点を置く慈善財団で、紛争国・脆弱国、発展途上国でも大規模な プログラムを世界的に実施してきました。同財団は、今後10年間で年間7,500万人の子どもたちに支援の手を差し伸べることを目標とし、特に就学前教育・ 幼児教育の普及に力を入れています。

2021年7月、GPEとLEGO財団は、5年間の多面的パートナーシップを正式に締結し、両団体が協力し て就学前から初等教育までの連続した教育システムの変革に取り組むこととになりました。同時に、 LEGO財団は、GPE理事会の⺠間財団の代表として選出されました。

1. 革新的資金調達による投資:デンマーク政府と共同でGPEの女子教育アクセラレータへ共同プレッジ(1,500万ドル)。さらにサハラ以南のアフリカでGPEの マルチプライヤーを活用し教育プログラムに投資するため2,000万ドルを確保。

2. GPE KIX:サハラ以南のアフリカの、早期学習における遊びに基づく教育法開発支援のめKIXに300万ドルを投資。5つのリサーチ・プロ ジェクトを選定。

3. アドボカシー活動:ジェンダー平等を中心に、ドナー、⺠間セクター、フィランソ ロピー間の協力を促す目的でアドボカシー活動をGPEと共同で行う予定。

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ウクライナの教育大臣からのメッセージ:難民の教育支援のために国際社会ができること

4月21日に、国際教育議連(IPNEd)事務局の主催により、ウクライナ のセルヒィ・シュカーレ(Serhiy Shkarlet)教育大臣による、戦争の教育への影響についての説明がオンラインで行われました。教育大臣はこの説明で、難民の教育支援のために国際社会ができることについて、力強いメッセージをお話しいただきました。このようなウクライナの課題をふまえた教育支援が日本にも求められているといえます。

ウクライナの教育危機

ウクライナの戦争は、教育を受ける権利に壊滅的な影響を及ぼしています。これまでに多くの学校、美術館、幼稚園などの教育機関、ユネスコ文化遺産などが破壊されています。また、戦争が始まって以来、今日までに、500万以上のウクライナ人が難民となり、208人の子どもが死亡し、376人が負傷しています。爆撃により、1,138の教育機関が破壊されています。

ウクライナ教育省による日々の教育機関の破壊状況

ウクライナにおける現在と今後の課題

ウクライナは教育支援を2つのフェーズで考えています。1つは戦争中の支援、そしてもう1つは戦争後の支援です。戦争中の支援に関して、一番の優先課題は、生徒たちの心理的・精神的な支援です。また、次の優先課題は破壊された教育機関の再建です。これは戦争後も必要になります。戦争後の支援に関しては、避難民や難民となっている人々をウクライナに戻し、教育システムの回復を通して、「ウクライナの未来」である子どもたちの育成に集中したいと思っています。

現在カナダなどの一部の国には、ウクライナのカリキュラムで子どもたちが学ぶ仕組みを要求しているところですが、全ての国に対して、ウクライナからの避難民の生徒たちが、ウクライナのカリキュラムを、補助教材としてオンラインで学ぶことをお願いしたいと思います(ウクライナ教育省によるオンラインラーニングのガイドライオンライン教材)。ウクライナの歴史や言葉はウクライナ人としてのアイデンティティを保ち、ウクライナに戻るために重要だからです。また、避難先の国に適応するための一時的な対応として、ウクライナの子どもたちに避難先の国の言語の支援を行なっていただきたいと思います。さらに、避難している教員に、その国の教育関係者が関わっていただければと思います。このような関わりが、ウクライナの教師がその国に心理的に適応するための刺激となると考えています。

GPEによるウクライナとその周辺国の支援

GPEは現在パートナーと連絡を取り合い、 人道支援パートナーと緊密に連携しながら、ウクライナと隣国のモルドバの教育ニーズを支援するための資金動員に取り組んでいるところです。なお、現在ウクライナからの避難民約10万人を受け入れているモルドバは、GPEのパートナー国でありマルチプライヤーの支援対象国でもあります。GPEは、子どもたちと学校を保護するための特別な対策を講じ、人道支援に従事する人達が、安全かつ迅速に、教育を含む必要不可欠なサービスを、それらを必要とする子どもたちに提供することを求める声に応えていきます。

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GPE、アフガニスタンの教育支援に最大3億米ドルを拠出することを発表

すべてのアフガニスタンの子どもたち(特に女子)の教育を受ける権利を守ることは、すべてのパートナーにとって優先事項であり、さもなければ失われた世代を見ることになる危険があります。アフガニスタンの教育支援は喫緊の課題です。

3月31日に行われた「アフガニスタンの人道状況に関するハイレベル・プレッジング会合」でチャールズ・ノースGPECEO代理は、ビデオメッセージを通じ、GPE基金から最大3億米ドルの拠出を発表しました。

この資金は、 今後3年間、アフガニスタンのすべての子どもたちの教育を支援するために利用可能です。GPEは、同国の人道的対応計画および、最近承認されたアフガニスタン教育セクター移行フレームワークの中で優先される活動を支援する用意があります。

2012年以来、GPEはアフガニスタンに2億700万米ドル以上のグラントを割り当てています。2020年には、GPEはアフガニスタンの人道的対応計画を支援するため、2000万米ドルの追加グラントにより、緊急事態の影響を受けた15万人の非就学少年少女に、コミュニティベースの学習センターを通じて教育の機会を提供することを決定しました。さらに最近では、 COVID-19や紛争による混乱の中、最終学年の生徒たちが、学年を終えることができるよう、200万米ドルの追加資金を承認しました。

チャールズ・ノースGPE CEO代理のコメント

“GPEは、教育分野の開発パートナーとともに、過去の成果を守り、何百万人ものアフガニスタンの少女・少年たちの希望と機会を高めるために働くことを心待ちにしています。”

英語のプレスリリースはこちらをご覧ください。

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日本におけるパートナーシップに向けた進展:GPE幹部の日本訪問

4月6日から8日の間、GPE事務局から、チャールズ・タップ最高執行責任者、ポウレグ・パワー最高財務責任者、スタイン・ド・ラメイヤー民間・財団との上級責任者、松吉由希子アジア地域における対外関係の上級責任者が日本を訪れました。期間中、外務省、財務省、経産省、JICA、国会議員の皆様、大学の先生方、JNNE、民間企業・財団、日本で活躍するGPEユース達と意見交換を行いました。その一部を以下に共有します。

国際教育議連所属の国会議員の先生方

4月7日(木)は、 国際教育議連(IPNEd)に所属している逢沢一郎衆議院議員、御法川信英衆議院議員、秋野公造参議院議員、寺田静参議院議員、牧山ひろえ参議院議員、増子輝彦参議院議員、横山信一参議院議員、若松謙維参議院議員、三原朝彦元衆議院議員とともに、意見交換を行いました。

意見交換では、GPE事務局より、教育に豊富な経験を有するJICAや民間企業・財団との連携を強めていくことや、日本が議長国となる2023年のG7で教育の優先順位を上げることなど、日本への期待が伝えられました。国会議員の先生方からはGPEの特徴に関して、GPEがこれまでに途上国で対して達成してきたことや、途上国政府のオーナーシップを高めるための取り組み、また、GPEによるウクライナ支援に関する質問が寄せられました。

質疑応答は大変盛り上がり、GPEの活動に大きな期待を寄せていただきました。ご参加いただいた先生方、大変ありがとうございました。

公明党山口代表、谷合先生

4月8日(金)は、公明党の山口那津男代表、 谷合正明先生との意見交換会を行いました。

意見交換の中では、特にGPEによるウクライナとその周辺国であるモルドバの支援に焦点が当てられました。GPEは現在ウクライナと隣国のモルドバの教育ニーズを支援するための資金動員に取り組んでいます。現在ウクライナからの避難民約10万人を受け入れているモルドバは、GPEのマルチプライヤーの支援対象国でもあります。

このようなウクライナやその周辺国の支援、またGPEが支援している約90カ国の途上国の教育制度変革に向けて、JICAとの連携を強めていくこと、日本のODAによる途上国の支援のうち、初等教育分野への支援を強めていくことについて、支持いただきました。

民間企業・財団

今回の日本訪問では、数多くの企業や財団の方とお会いする機会がありました。JICAと経産省ではEdTechに関する企業を招いた、ラウンドテーブルが行われ、日本の企業や財団が持っているスキルやサービスに対して大きな期待を感じることができた機会となりました。

歴代・現役のGPEユースリーダー達

歴代・現役のGPEユースリーダー達との意見交換会を行いました。歴代ユースリーダー達からはその活動を振り返り、直面したチャレンジなどをもとに、現役ユースリーダー達へアドバイスが行われました。GPE事務局と初めて対面したユースリーダー達は最初は緊張した面持ちでしたが、次第に慣れて、活発な意見交換が行われました。

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新戦略GPE2025に組み込まれた女子教育

ラオス・パクウー郡・ソムサヌーク小学校4年生。2018年12月の様子。(Credit:GPE/Kelley Lynch)

GPE2025戦略の重要な要素は、パートナーシップの活動全体にジェンダー平等をしっかりと組み込むことです。教育システムの変革プロセスにジェンダー平等を組み込むことで、ジェンダー平等を目標に掲げる国を支援することができます。そのためGPEはジェンダー平等をGPEのあらゆる活動に組み込んでいます。今回はGPEのジェンダー平等の取り組みを3点紹介します。

1. ジェンダー平等に関する包括的な国別対話

新たな運用モデルの実施に伴い、パートナー国は、国レベルの対話にジェンダー平等を組み入れ、教育セクターの計画を立てる過程の中にジェンダー平等をよりよく統合する方法を検討しています。例えば、エルサルバドルは、優先的な改革事項であった就学前教育にジェンダー平等を組み込みました。

2. ジェンダー平等への強力な財政的コミットメント

パートナー国は、ジェンダー診断と、教育におけるジェンダー平等を拡大するための戦略を特定、設計、実施するための国の能力強化のための「システム能力グラント」 を利用することができます。また政府とLEGは「システム変革グラント」を用いて、ジェンダー平等が課題である場合、その介入策を検討していくことができます。

3. ジェンダー平等の提唱と行動のための包括的なローカルおよびグローバルパートナーシッ プ

国レベル、理事会メンバー、グローバルフォーラムでの専用セッションの設置など、常にパートナーシップの議論の中心にジェンダー平等を据えることに取り組み、ジェンダーに関する様々なイニシアチブや国際的な枠組みにも関与しています。

原文 Hardwiring gender equality in GPE 2025

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チャールズ・ノースCEO代理の紹介

アリス・オルブライトGPE CEOがミレニアム挑戦公社の長官就任のため2月15日にGPEを退任後、チャールズ・ノース氏がCEO代理を努めています。チャールズ・ノースGPE CEO代理についてご紹介します。

ノース氏は 米国国際開発庁(USAID)で外交官を32年間務めた後、2019年3月にGPEに参画しました。GPE参画前は、米国平和研究所に出向し、ウクライナとロシアに関する上級顧問を務めていました。それ以前は、2014年から2017年までUSAIDの経済成長・教育・環境局で事務次官代理を務め、2013年2月からは事務次官上級補佐を務めていました。この間、ノース氏はGPEの理事を2年間務めました。

さらに、海外経験も豊富であり、ケニア、スーダン、モザンビーク、エルサルバドル、ロシアのUSAID海外拠点に17年間勤務し、2010年から2013年までロシアでUSAIDミッションディレクターを務めました。

2008年から2010年までUSAIDのアフガニスタン・パキスタン・タスクフォースの上級副所長など、ワシントンで数々の指導的立場を経験しました。また、国務省の対外援助局長室では西半球の地域ディレクター(2006-2008年)、USAIDの政策・プログラム調整局では政策室長(2004-2006年)を務めました。

ノース氏はウェスリアン大学を卒業し、イェール大学で経営学、国立戦争大学で国家安全保障戦略の修士号を取得しています。

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GPEとウクライナとの関係

紛争状況におけるGPEの活動の基本は、「子どもたちの最善の利益の確保」「教育システムの保護」「人道的原則」の3つの原則を軸に構築されています。

GPEは現在パートナーと連絡を取り合い、ECWを含む人道支援パートナーと緊密に連携しながら、ウクライナと隣国のモルドバの教育ニーズを支援するための資金動員に取り組んでいるところです。なお、現在ウクライナからの避難民約10万人を受け入れているモルドバは、GPEのパートナー国でありマルチプライヤーの支援対象国でもあります。

私たちは、子どもたちと学校を保護するための特別な対策を講じ、人道支援に従事する人達が、安全かつ迅速に、教育を含む必要不可欠なサービスを、それらを必要とする子どもたちに提供することを求める声に応えていきます。

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日本で活躍するGPEユースリーダー達の紹介

GPEでは現在18カ国、42名のユースリーダー達が活躍しています。ユースリーダー達は、世界の教育の課題や開発について情熱を持つ18歳から30歳の若者であり、ボランティアとしてGPEの活動に関わっています。日本からも現在3名がGPEのユースリーダーとして活動しています。彼らの教育やGPEへの思いを自己紹介と共に紹介します。

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GPEユースリーダー達による、遠藤彰氏へのインタビュー

GPEユースリーダー達が、在シリア日本国大使館シリア臨時代理大使兼シリア特別調整官の遠藤彰氏へインタビューを行い、脆弱な紛争国の子どもたちを支援する日本の取り組みや、教育に対するODA政策についてお話を伺いました。

日本は第4回国際教育の日(1/24)にGPEに850万米ドルの拠出を表明しました。その資金の大半は紛争中の国々にあてられ、620万米ドルはイエメンに、160米万ドルはシリアの支援に用いられる予定です。 残りの約70万米ドルはGPE基金として用いられ、各国の教育セクター計画の策定・実施の支援に役立てられます。

日本のプレッジについて詳しく知るために、2人のGPEユースリーダーが、在シリア日本国大使館特別調整官兼臨時代理大使の遠藤章氏に、脆弱な紛争国の子どもたちを支援する日本の取り組みや、教育に対する政府開発援助(ODA)政策についてインタビューしました。

以下にユースリーダー達の遠藤彰氏への質問を紹介します。

インタビュー全文はこちらからご覧ください。

Q.日本がG8を主催した2008年には、「万人のための教育-ファスト・トラック・イニシアティブ(EFA-FTI、GPEの前身)」という重要なドナーとの会議も開催されました。2023年に開催されるG7サミットで、日本がSDGs4についてどのようなことを予定されているのですか?

Q.シリアの子どもたちが教育で直面している課題と、それに取り組むための日本の優先順位は何でしょうか。また、GPEのシリア支援に期待することは何ですか?

Q.日本のODAの教育政策「平和と成長のための学びの戦略」に大変興味を持っています。国際社会が「教育の変革」に向かっている今、日本もODA戦略を見直すべきとお考えでしょうか。

Q.日本はODA政策の中で、人間の安全保障の推進を優先していると聞いています。特に脆弱な国や紛争国において、子どもたちが直面する課題を克服するために、日本はどのような戦略をとっているのでしょうか。

インタビュー全文はこちらからご覧ください。

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