ウクライナの教育大臣からのメッセージ:難民の教育支援のために国際社会ができること

4月21日に、国際教育議連(IPNEd)事務局の主催により、ウクライナ のセルヒィ・シュカーレ(Serhiy Shkarlet)教育大臣による、戦争の教育への影響についての説明がオンラインで行われました。教育大臣はこの説明で、難民の教育支援のために国際社会ができることについて、力強いメッセージをお話しいただきました。このようなウクライナの課題をふまえた教育支援が日本にも求められているといえます。

ウクライナの教育危機

ウクライナの戦争は、教育を受ける権利に壊滅的な影響を及ぼしています。これまでに多くの学校、美術館、幼稚園などの教育機関、ユネスコ文化遺産などが破壊されています。また、戦争が始まって以来、今日までに、500万以上のウクライナ人が難民となり、208人の子どもが死亡し、376人が負傷しています。爆撃により、1,138の教育機関が破壊されています。

ウクライナ教育省による日々の教育機関の破壊状況

ウクライナにおける現在と今後の課題

ウクライナは教育支援を2つのフェーズで考えています。1つは戦争中の支援、そしてもう1つは戦争後の支援です。戦争中の支援に関して、一番の優先課題は、生徒たちの心理的・精神的な支援です。また、次の優先課題は破壊された教育機関の再建です。これは戦争後も必要になります。戦争後の支援に関しては、避難民や難民となっている人々をウクライナに戻し、教育システムの回復を通して、「ウクライナの未来」である子どもたちの育成に集中したいと思っています。

現在カナダなどの一部の国には、ウクライナのカリキュラムで子どもたちが学ぶ仕組みを要求しているところですが、全ての国に対して、ウクライナからの避難民の生徒たちが、ウクライナのカリキュラムを、補助教材としてオンラインで学ぶことをお願いしたいと思います(ウクライナ教育省によるオンラインラーニングのガイドライオンライン教材)。ウクライナの歴史や言葉はウクライナ人としてのアイデンティティを保ち、ウクライナに戻るために重要だからです。また、避難先の国に適応するための一時的な対応として、ウクライナの子どもたちに避難先の国の言語の支援を行なっていただきたいと思います。さらに、避難している教員に、その国の教育関係者が関わっていただければと思います。このような関わりが、ウクライナの教師がその国に心理的に適応するための刺激となると考えています。

GPEによるウクライナとその周辺国の支援

GPEは現在パートナーと連絡を取り合い、 人道支援パートナーと緊密に連携しながら、ウクライナと隣国のモルドバの教育ニーズを支援するための資金動員に取り組んでいるところです。なお、現在ウクライナからの避難民約10万人を受け入れているモルドバは、GPEのパートナー国でありマルチプライヤーの支援対象国でもあります。GPEは、子どもたちと学校を保護するための特別な対策を講じ、人道支援に従事する人達が、安全かつ迅速に、教育を含む必要不可欠なサービスを、それらを必要とする子どもたちに提供することを求める声に応えていきます。

投稿日:
カテゴリー: 未分類

GPE、アフガニスタンの教育支援に最大3億米ドルを拠出することを発表

すべてのアフガニスタンの子どもたち(特に女子)の教育を受ける権利を守ることは、すべてのパートナーにとって優先事項であり、さもなければ失われた世代を見ることになる危険があります。アフガニスタンの教育支援は喫緊の課題です。

3月31日に行われた「アフガニスタンの人道状況に関するハイレベル・プレッジング会合」でチャールズ・ノースGPECEO代理は、ビデオメッセージを通じ、GPE基金から最大3億米ドルの拠出を発表しました。

この資金は、 今後3年間、アフガニスタンのすべての子どもたちの教育を支援するために利用可能です。GPEは、同国の人道的対応計画および、最近承認されたアフガニスタン教育セクター移行フレームワークの中で優先される活動を支援する用意があります。

2012年以来、GPEはアフガニスタンに2億700万米ドル以上のグラントを割り当てています。2020年には、GPEはアフガニスタンの人道的対応計画を支援するため、2000万米ドルの追加グラントにより、緊急事態の影響を受けた15万人の非就学少年少女に、コミュニティベースの学習センターを通じて教育の機会を提供することを決定しました。さらに最近では、 COVID-19や紛争による混乱の中、最終学年の生徒たちが、学年を終えることができるよう、200万米ドルの追加資金を承認しました。

チャールズ・ノースGPE CEO代理のコメント

“GPEは、教育分野の開発パートナーとともに、過去の成果を守り、何百万人ものアフガニスタンの少女・少年たちの希望と機会を高めるために働くことを心待ちにしています。”

英語のプレスリリースはこちらをご覧ください。

投稿日:
カテゴリー: 未分類

日本におけるパートナーシップに向けた進展:GPE幹部の日本訪問

4月6日から8日の間、GPE事務局から、チャールズ・タップ最高執行責任者、ポウレグ・パワー最高財務責任者、スタイン・ド・ラメイヤー民間・財団との上級責任者、松吉由希子アジア地域における対外関係の上級責任者が日本を訪れました。期間中、外務省、財務省、経産省、JICA、国会議員の皆様、大学の先生方、JNNE、民間企業・財団、日本で活躍するGPEユース達と意見交換を行いました。その一部を以下に共有します。

国際教育議連所属の国会議員の先生方

4月7日(木)は、 国際教育議連(IPNEd)に所属している逢沢一郎衆議院議員、御法川信英衆議院議員、秋野公造参議院議員、寺田静参議院議員、牧山ひろえ参議院議員、増子輝彦参議院議員、横山信一参議院議員、若松謙維参議院議員、三原朝彦元衆議院議員とともに、意見交換を行いました。

意見交換では、GPE事務局より、教育に豊富な経験を有するJICAや民間企業・財団との連携を強めていくことや、日本が議長国となる2023年のG7で教育の優先順位を上げることなど、日本への期待が伝えられました。国会議員の先生方からはGPEの特徴に関して、GPEがこれまでに途上国で対して達成してきたことや、途上国政府のオーナーシップを高めるための取り組み、また、GPEによるウクライナ支援に関する質問が寄せられました。

質疑応答は大変盛り上がり、GPEの活動に大きな期待を寄せていただきました。ご参加いただいた先生方、大変ありがとうございました。

公明党山口代表、谷合先生

4月8日(金)は、公明党の山口那津男代表、 谷合正明先生との意見交換会を行いました。

意見交換の中では、特にGPEによるウクライナとその周辺国であるモルドバの支援に焦点が当てられました。GPEは現在ウクライナと隣国のモルドバの教育ニーズを支援するための資金動員に取り組んでいます。現在ウクライナからの避難民約10万人を受け入れているモルドバは、GPEのマルチプライヤーの支援対象国でもあります。

このようなウクライナやその周辺国の支援、またGPEが支援している約90カ国の途上国の教育制度変革に向けて、JICAとの連携を強めていくこと、日本のODAによる途上国の支援のうち、初等教育分野への支援を強めていくことについて、支持いただきました。

民間企業・財団

今回の日本訪問では、数多くの企業や財団の方とお会いする機会がありました。JICAと経産省ではEdTechに関する企業を招いた、ラウンドテーブルが行われ、日本の企業や財団が持っているスキルやサービスに対して大きな期待を感じることができた機会となりました。

歴代・現役のGPEユースリーダー達

歴代・現役のGPEユースリーダー達との意見交換会を行いました。歴代ユースリーダー達からはその活動を振り返り、直面したチャレンジなどをもとに、現役ユースリーダー達へアドバイスが行われました。GPE事務局と初めて対面したユースリーダー達は最初は緊張した面持ちでしたが、次第に慣れて、活発な意見交換が行われました。

投稿日:
カテゴリー: 未分類

新戦略GPE2025に組み込まれた女子教育

ラオス・パクウー郡・ソムサヌーク小学校4年生。2018年12月の様子。(Credit:GPE/Kelley Lynch)

GPE2025戦略の重要な要素は、パートナーシップの活動全体にジェンダー平等をしっかりと組み込むことです。教育システムの変革プロセスにジェンダー平等を組み込むことで、ジェンダー平等を目標に掲げる国を支援することができます。そのためGPEはジェンダー平等をGPEのあらゆる活動に組み込んでいます。今回はGPEのジェンダー平等の取り組みを3点紹介します。

1. ジェンダー平等に関する包括的な国別対話

新たな運用モデルの実施に伴い、パートナー国は、国レベルの対話にジェンダー平等を組み入れ、教育セクターの計画を立てる過程の中にジェンダー平等をよりよく統合する方法を検討しています。例えば、エルサルバドルは、優先的な改革事項であった就学前教育にジェンダー平等を組み込みました。

2. ジェンダー平等への強力な財政的コミットメント

パートナー国は、ジェンダー診断と、教育におけるジェンダー平等を拡大するための戦略を特定、設計、実施するための国の能力強化のための「システム能力グラント」 を利用することができます。また政府とLEGは「システム変革グラント」を用いて、ジェンダー平等が課題である場合、その介入策を検討していくことができます。

3. ジェンダー平等の提唱と行動のための包括的なローカルおよびグローバルパートナーシッ プ

国レベル、理事会メンバー、グローバルフォーラムでの専用セッションの設置など、常にパートナーシップの議論の中心にジェンダー平等を据えることに取り組み、ジェンダーに関する様々なイニシアチブや国際的な枠組みにも関与しています。

原文 Hardwiring gender equality in GPE 2025

投稿日:
カテゴリー: 未分類

チャールズ・ノースCEO代理の紹介

アリス・オルブライトGPE CEOがミレニアム挑戦公社の長官就任のため2月15日にGPEを退任後、チャールズ・ノース氏がCEO代理を努めています。チャールズ・ノースGPE CEO代理についてご紹介します。

ノース氏は 米国国際開発庁(USAID)で外交官を32年間務めた後、2019年3月にGPEに参画しました。GPE参画前は、米国平和研究所に出向し、ウクライナとロシアに関する上級顧問を務めていました。それ以前は、2014年から2017年までUSAIDの経済成長・教育・環境局で事務次官代理を務め、2013年2月からは事務次官上級補佐を務めていました。この間、ノース氏はGPEの理事を2年間務めました。

さらに、海外経験も豊富であり、ケニア、スーダン、モザンビーク、エルサルバドル、ロシアのUSAID海外拠点に17年間勤務し、2010年から2013年までロシアでUSAIDミッションディレクターを務めました。

2008年から2010年までUSAIDのアフガニスタン・パキスタン・タスクフォースの上級副所長など、ワシントンで数々の指導的立場を経験しました。また、国務省の対外援助局長室では西半球の地域ディレクター(2006-2008年)、USAIDの政策・プログラム調整局では政策室長(2004-2006年)を務めました。

ノース氏はウェスリアン大学を卒業し、イェール大学で経営学、国立戦争大学で国家安全保障戦略の修士号を取得しています。

投稿日:
カテゴリー: 未分類

GPEとウクライナとの関係

紛争状況におけるGPEの活動の基本は、「子どもたちの最善の利益の確保」「教育システムの保護」「人道的原則」の3つの原則を軸に構築されています。

GPEは現在パートナーと連絡を取り合い、ECWを含む人道支援パートナーと緊密に連携しながら、ウクライナと隣国のモルドバの教育ニーズを支援するための資金動員に取り組んでいるところです。なお、現在ウクライナからの避難民約10万人を受け入れているモルドバは、GPEのパートナー国でありマルチプライヤーの支援対象国でもあります。

私たちは、子どもたちと学校を保護するための特別な対策を講じ、人道支援に従事する人達が、安全かつ迅速に、教育を含む必要不可欠なサービスを、それらを必要とする子どもたちに提供することを求める声に応えていきます。

投稿日:
カテゴリー: 未分類

日本で活躍するGPEユースリーダー達の紹介

GPEでは現在18カ国、42名のユースリーダー達が活躍しています。ユースリーダー達は、世界の教育の課題や開発について情熱を持つ18歳から30歳の若者であり、ボランティアとしてGPEの活動に関わっています。日本からも現在3名がGPEのユースリーダーとして活動しています。彼らの教育やGPEへの思いを自己紹介と共に紹介します。

投稿日:
カテゴリー: 未分類

GPEユースリーダー達による、遠藤彰氏へのインタビュー

GPEユースリーダー達が、在シリア日本国大使館シリア臨時代理大使兼シリア特別調整官の遠藤彰氏へインタビューを行い、脆弱な紛争国の子どもたちを支援する日本の取り組みや、教育に対するODA政策についてお話を伺いました。

日本は第4回国際教育の日(1/24)にGPEに850万米ドルの拠出を表明しました。その資金の大半は紛争中の国々にあてられ、620万米ドルはイエメンに、160米万ドルはシリアの支援に用いられる予定です。 残りの約70万米ドルはGPE基金として用いられ、各国の教育セクター計画の策定・実施の支援に役立てられます。

日本のプレッジについて詳しく知るために、2人のGPEユースリーダーが、在シリア日本国大使館特別調整官兼臨時代理大使の遠藤章氏に、脆弱な紛争国の子どもたちを支援する日本の取り組みや、教育に対する政府開発援助(ODA)政策についてインタビューしました。

以下にユースリーダー達の遠藤彰氏への質問を紹介します。

インタビュー全文はこちらからご覧ください。

Q.日本がG8を主催した2008年には、「万人のための教育-ファスト・トラック・イニシアティブ(EFA-FTI、GPEの前身)」という重要なドナーとの会議も開催されました。2023年に開催されるG7サミットで、日本がSDGs4についてどのようなことを予定されているのですか?

Q.シリアの子どもたちが教育で直面している課題と、それに取り組むための日本の優先順位は何でしょうか。また、GPEのシリア支援に期待することは何ですか?

Q.日本のODAの教育政策「平和と成長のための学びの戦略」に大変興味を持っています。国際社会が「教育の変革」に向かっている今、日本もODA戦略を見直すべきとお考えでしょうか。

Q.日本はODA政策の中で、人間の安全保障の推進を優先していると聞いています。特に脆弱な国や紛争国において、子どもたちが直面する課題を克服するために、日本はどのような戦略をとっているのでしょうか。

インタビュー全文はこちらからご覧ください。

投稿日:
カテゴリー: 未分類

GPEユースリーダー達による、 遠藤彰氏(在シリア日本国大使館シリア臨時代理大使兼シリア特別調整官)へのインタビュー

GPEのユースリーダー達は、在シリア日本国大使館の遠藤彰シリア臨時代理大使兼シリア特別調整官へのインタビューを実施し、脆弱な紛争国の子どもたちを支援する日本の取り組みや教育に対する政府開発援助(ODA)政策について伺いました。

日本は最近、GPEに850万ドルの拠出を表明しました。その資金の大半は紛争中の国々にあてられ、620万米ドルはイエメンに、160米万ドルはシリアの支援に用いられる予定です。 残りの約70万米ドルはGPE基金として用いられ、各国の教育セクター計画の策定・実施の支援に役立てられます。

日本によるプレッジをより詳しく知るために、GPEのユースリーダー2名が、在シリア日本国大使館シリア臨時代理大使兼シリア特別調整官の遠藤彰氏に、脆弱な紛争国の子どもたちを支援する日本の取り組みや、教育に対する政府開発援助(ODA)政策についてインタビューしました。

参加者紹介

Ayesha Farahさん:イギリス系ソマリア人。グローバル教育の熱烈な支持者であり、若者の参加の力による変革に尽力しています。

中野友絵さん:日本人。すべての人にとって質の高い教育が不可欠であると固く信じており、特に幼児教育に関心を持っています。

遠藤彰氏:在シリア日本国大使館シリア特別調整官兼臨時代理大使。

ーーーー

Ayesha Farahさん:日本がG8を主催した2008年には、「万人のための教育-ファスト・トラック・イニシアティブ(EFA-FTI、GPEの前身)」という重要なドナーとの会議も開催されました。2023年に開催されるG7サミットで、日本がSDGs4についてどのようなことを予定されているのですか?

遠藤彰氏 :ご指摘の通り、日本は過去のG7/G8議長国において、教育分野での取り組みを行ってきました。例えば、G7伊勢志摩サミットでは、女子教育の重要性に光を当てました。来年のG7サミットでは、これまでのG7の成果や今年のドイツ議長国としての優先事項を踏まえ、どのような成果が得られるか検討したいと思います。

ーーーー

Ayesha Farahさん:シリアの子どもたちが教育で直面している課題と、それに取り組む日本の優先順位について教えてください。また、GPEのシリア支援に期待することは何ですか?

遠藤彰氏: 2011年にシリア危機が勃発して以来、2022年はシリア・アラブ共和国での紛争は11年目を迎えます。家族やコミュニティは、暴力、移住、社会経済的な困窮、パンデミックによる健康被害、トラウマを経験し続けています。

UNOCHAは2020年に、国内では、避難生活、敵対行為にさらされること、基本的な商品やサービスへのアクセスが制限されることによる脆弱性から、その年に470万人の子どもを含む1110万人以上が人道支援を必要とするだろうと述べています。

紛争は、SDG4達成に向けた進捗を妨げています。シリア危機以前は、ほぼすべての子どもたちが初等教育に就学しており、中等教育の就学率は76%でした。紛争の悪化により、特に弱い立場にある多くの子どもたちが学校に通えていません。

日本はシリアと長年にわたり関係を築いてきました。2012年以降、日本は国際機関を通じて、シリアとその周辺国に32億米ドル以上の緊急・人道支援を提供してきました。日本は、シリアにおける人道支援へのアクセスを強化するために、国際社会と緊密な連携を続けていきます。

シリアへのプレッジは、困難に直面しているすべてのシリア人に人道支援を届けるという、日本の揺るぎないコミットメントの一環です。日本は、GPEがシリアのすべての子どもたちが質の高い教育を受けられるように支援することを期待します。

2014年6月2日、レバノン・ベイルートのBourjhammoud Public School #2で、数学の授業中に学校の先生であるMerna Faddoul(中央上)の話を聞くシリア難民の学生たち。(Credit: Dominic Chavez/World Bank)

中野友絵さん:日本の教育に対するODA政策「平和と成長のための学びの戦略」に大変興味を持っています。国際社会が「教育の変革」に向かっている今、日本の教育に関するODA戦略も見直すべきとお考えですか?

遠藤彰氏:「平和と成長のための学びの戦略」は、2015年9月の国連サミットでSDGsが採択されたことを機に、日本が発表した教育分野における国際協力に関する政策的な方向性です。

この方針では、相互学習による質の高い教育をビジョンとして掲げ、次の3つの指針を掲げています。(1)包括的で公平かつ質の高い学習を実現するための教育協力、(2)産業・科学技術人材の育成と持続可能な社会経済発展のための教育協力、(3)教育協力のための国際・地域ネットワークの構築と拡大。

現在、この方針に対する外部評価が行われており、評価の勧告に基づいてこの方針が改訂される予定です。

ーーーー

中野友絵さん:日本はODAの中で、人間の安全保障の推進を優先していると聞いています。特に脆弱な国や紛争国において、子どもたちが直面する課題を克服するために、日本はどのような戦略をとっているのでしょうか。

遠藤彰氏: 日本の開発協力大綱では、人間の安全保障の推進を優先しており、これは日本の開発協力の根幹にある原則です。この原則に基づき、日本は子どもや女性、障害者といった社会的弱者の支援に力を入れてきました。

また、人間の安全保障を推進するために、日本は開発協力大綱において脆弱な紛争国を支援する方法として平和構築を優先し、紛争から復興・開発までのあらゆる段階において、子どもを含む個人の保護とエンパワーメントのための努力を強調してきた。

実際、国際社会による平和構築への支援額は2018年には51億7500万ドルで、ODA全体の約2.5%を占めています。これは、平和構築への援助額においては、他の国の中でも8番目に大きな額です。

日本がGPEに対してシリアとイエメンの教育プログラムを支援することを約束したことは、GPEの開発協力大綱に沿ったものです。日本政府は、シリアとイエメンの子どもたちの継続的な教育支援に貢献できることを喜ばしく思います。

聴覚障害者福祉リハビリテーション協会で、聴覚障害のある生徒と向き合う先生。開発社会基金は、教師への研修や機材の提供を通じて、同センターを支援しています。イエメン共和国(Credit:Dana Smillie / 世界銀行)

Ayesha Farahさんと中野友絵さん:日本は最近GPEへのプレッジを表明しました。日本の教育支援へのコミットメントについてさらに詳しく教えてください。

遠藤彰氏:日本は今年、GPEに合計850万ドルを拠出することを表明しました。620万ドルはイエメン、160万ドルはシリアに、残りはGPE基金が各国の教育セクター計画の策定・実施の支援に役立てられる予定です。

日本は、最も弱い立場にある恵まれない子どもたちの教育支援を重視しており、今後も国際社会と連携し、SDG4達成に向けた支援を強化していきます。

ーーーー

インタビューでは、遠藤氏から国際平和と安全保障への関心と情熱から、外交官を目指した経緯についてお話しいただきました。

また、遠藤氏は2人のユースリーダー達に、なぜ人道支援に情熱を注ぐのかを尋ねました。これに対し、Ayesha Farahさんは、家族が英国に移住する前、ソマリアで危険な目に遭い苦しむ子どもたちを目の当たりにし、自分もその一人だったかもしれないと思った経験を語りました。

また、教師になるか人道支援に携わるのかのキャリア選択の際には、19歳のときにタンザニアで幼児教育に携わった経験から、教師になる以外にも多くの子どもたちを学校に通わせる方法があることに気づいたことを紹介しました。

また、中野友絵さんさんは、質問に対して「日本は戦争から復興したのだから、脆弱な国や紛争の影響を受けている国を支援するために、日本ができることはたくさんあると感じている」と答えました。

インタビューの最後に、2人のユースリーダー達は遠藤氏に感謝の意を表し、日本が国際社会の一員として教育の質の向上に貢献できるよう、今後も歩みを続けることを期待することを述べました。

英語の原文:GPE Youth Leaders’ Interview with Mr. Akira Endo, Special Coordinator for Syria and Chargés d’Affaires ad interim, the Embassy of Japan in Syria

プレスリリース:日本政府、GPEに800万米ドル超の拠出を表明

イエメン。サヌアのカルディ校で学年末試験を受ける生徒たち。
(Credit: Bill Lyons/ 世界銀行)

GPEは、第4回国際教育の日(1/24)に、日本から850万米ドルのプレッジがあったことをプレスリリースとして発表し、日本のプレッジに対して感謝の意を表しました。GPEでは、今後も日本と共に開発途上国の教育システムの変革に向けて取り組んでいきたいと考えています。

約620万米ドルがイエメン、約160万米ドルがシリアの支援に用いられる予定です。これらの資金は、現在進行中の紛争、暴力、食糧不足によって生活に深い影響を受けている最も弱い立場にある子どもたちの継続的な学習支援に役立てられます。残りの約70万米ドルはGPE基金として用いられ、各国の教育セクター計画の策定・実施の支援に役立てられます。

塚田玉樹在米国日本国大使館特命全権公使のコメント「我が国は、紛争影響国の子ども等、最も脆弱で不利な立場に置かれた人々への教育支援を喫緊の課題として重視しており、今般のイエメン、シリアの教育支援を含むGPEへの拠出により、これら厳しい状況にある子供たちの教育へのアクセスが維持されることに貢献したいと心から願う。日本は引き続き国際社会と連携し、SDG4「質の高い教育を皆に」の達成に向け、教育分野の支援を強化していく。」

アリス・オルブライトGPE最高執行責任者コメント「この資金は、特に紛争の影響を受けている最も弱い立場にある子どもたちを支援するものです。日本が引き続き世界の教育に関与し、すべての子どもたちが学ぶことができるよう支援することを期待しています。」

プレスリリースの全文(日本語 英語

イエメンの支援

グラント総額:US$47,400,000(内、日本政府の拠出:約620万米ドル)

プログラム名: イエメン教育と学習の回復興支援プロジェクト

期間:3.5年間(日本の支援は1年間)

目的: イエメン共和国の特定の地区において、基礎教育へのアクセスを維持し、学習条件を改善し、教育セクターの能力を強化する。

対象校の子どもたちに適切で安全な学習空間へのアクセスを提供し、基礎教育レベルのアクセスを維持し、学習を支援する。そのために、教師への支援、学校給食、学習教材や学用品、対象校における学校インフラの復旧などを行う。また、進行中の紛争、治安の悪化等の理由で学校が閉鎖または中断された場合、対象県の基礎教育学齢児童に遠隔代替教育の提供を行う。

シリアの支援

グラント総額:US$18,746,532(内、日本政府の拠出:約160万米ドル)

プログラム名: 公平性と学習の向上を目的とした、 シリアの子どもたちの学びの道筋の強化

期間:3年間(日本の支援は1年間)

目的: 脆弱な子どもたちの学習機会への参加を改善し、基礎的なスキルや生活スキルの習得につなげる。

ノンフォーマル教育の強化、幼児教育の強化や導入、障害のある子どものインクルージョンに関するガイダンスの開発や実施のためのトレーニング支援などを行う。また、シリアの子どもたちは、紛争等の影響により不安やトラウマを抱え、このことが、学校への参加や学習能力に直接的な影響を及ぼしている。そのため、教師への生徒の社会的・感情的スキルの発達を育む研修プログラムの提供も行う。

投稿日:
カテゴリー: 未分類