GPEによる栄養と教育に関する取り組み

東京栄養サミットで日本は、今後3年間で3,000億円の支援を実施することを表明し、途上国の栄養状況改善に向けたリーダーシップを示しました。 また、サミットの中では、日本が長年の実績を持つ学校での食育の推進などの経験や実践が海外でも着目され、開発途上国での栄養改善に向けた取り組みにも活用されていることなど、日本による世界の栄養改善の貢献にも焦点が当てられました。

GPEでは、WFPやその他のパートナーと協力し、最終的にはその国の資金で政府自身が運営できることを目指し、学校給食プログラムを設計・実施するための各国の取り組みを支援しています。 2020年にはCOVID-19の影響緩和を目的に8カ国の栄養プログラムに130万ドルを、さらにCOVID-19からの回復支援を目的に15カ国の栄養プログラムに680万ドルを提供しました。

さらに、GPEでは2030年までに全ての子どもに健康的で栄養価のある給食の提供を行うための新たなイニシアチブ、「学校給食連合(School Meals Coalition)」に加盟しました。この連合は60カ国以上、55のパートナーで構成され、学校給食の質の向上と学校給食システムの強化を目指しています。GPE以外ではWFP、FAO、UNICEF等の国際機関も加盟しています。GPEでは学校給食プログラムへの投資を通して、 子ども達の身体的・認知的な発達に不可欠な、健康的で栄養価の高い学校給食の提供に貢献し、 最も脆弱な子どもたちを支援しています。

事例紹介(セネガル): コロナ禍でも学校給食が生徒の学びを後押し

セネガルでは、COVID-19対応の一環として、GPEとWFPの支援を受け、「学校給食プログラム」を開始しました。これは、健康危機による児童生徒の教育への影響を緩和し、脆弱な児童生徒の学習の継続を支援することを目的としています。詳細はこちらをご覧ください。

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こども庁創設に向けた、インドネシア・英国へのヒヤリング

29日に「こども政策の推進に係る有識者会議」より提出された報告書を踏まえ、政府はこども庁の2023年度創設に向けた基本方針策定に向けて動き始めました。GPEは、こども庁創設に向けた動きを支援するため、山田太郎議員と自見はなこ議員の依頼を受けて、英国・インドネシアにヒヤリングを実施しました。

こども庁創設に向けた議論の背景

日本では、今年の9月16日には内閣官房にて「こども政策の推進に係る有識者会議」が発足、岸田文雄首相のもとで、こども庁創設に向けた担当大臣として野田聖子議員が任命されました。また11月29日には有識者会議より岸田首相に「こども基本法(仮称)」の制定などを求める報告書が提出され、政府がこども庁の2023年度設置に向けた基本方針策定に向けて動き始めています。

日本ではこのように、こども庁設置に向けた動きが加速していますが、諸外国では既にこどもに関する政策について進んだ取り組みを行っている国があります。GPEはこれまで、パートナー国において、子どもや若者の支援を教育政策の改革を通して行ってきました。また、質の高い教育の実現に向け、国際教育協力に関心のある世界各国の国会議員を結ぶ、国際教育議連(IPNEd)とも深い関係を築き、世界中の国会議員を繋いで教育課題についてお互いに議論し、学びあう場を設けてきました。GPEでは今回、こども庁設置に向けて取り組んできた、山田太郎議員と自見はなこ議員の依頼を受け、こども庁設置に向けた設置法案の検討のために、インドネシアと英国へのヒヤリング支援を行いました。

インドネシアへのヒヤリング

インドネシアは、政府系の非営利シンクタンクであり、LEG(Local Education Group)のメンバーでもあるPSPKとインドネシアの教育におけるこどもの福祉について議論を行いました。本ヒヤリングには、内閣府と外務省(国際協力局とアジア大洋州局)からもご出席いただきました。PSPKからは、教育におけるこどもの福祉政策を推進するために、児童生徒の学習環境のサーベイも含んだ全国テストの導入や、テストの点数だけでなく、児童生徒の幸福と個性を重視した新カリキュラムの策定などの取り組みが共有されました。

英国へのヒヤリング

英国からは、過去に教育大臣などを歴任したスティーブン・ツイッグ氏(英連邦議会協会事務局長)、スコットランド第一大臣や、教育大臣などを歴任したジャック・マコネル卿議員に参加いただきました。また、当日参加できなかったティム・ロートン議員には事前にお送りした質問への回答として、ビデオメッセージをお送りいただきました。

山田議員からは、こども庁の機能として、省庁間の「縦割りの壁」、国家、都道府県、地方自治体の各レベルにおける政策の「横割りの壁」、出産、幼稚園から小学校に上がる時、大人になる時の「年代の壁」の3つの壁を取り除くことを目指していることが示されました。またこれを受けて、子どもコミッショナーの設計、政府の調査権の設計、子どもに関する問題の発生を事前に把握する仕組みづくりの設計について、英国の国会議員へと質問が行われました。

スティーブン・ツイッグ氏とジャック・マコネル卿議員からは、それぞれ自身が教育大臣だった時の取り組みについて、具体的な政策事例を紹介していただきました。また、国際教育協力が政策において優先されるために、ハイレベルな政治の意思決定とそれに基づく政府・省庁間の政策の優先順位付けを行うことが大切であること、英国においては省庁の統合を行った結果、 外務・英連邦・開発省(FCDO)が新設され、子どものニーズと教育に責任を持つ役割の大臣の設置が規定されたことなどが共有されました。

参加者からは有意義な会であったとのコメントが聞かれました。GPEでは引き続きこども庁設置に向けた動きを支援していきます。

英国の国会議員へのヒヤリングの様子。2021年11月23日。

開発途上国の自立を促すためのGPEの取り組み

開発途上国が援助に頼るだけではなく、国内予算に占める教育関連予算の割合を20%にすることをGPEでは求めています。これは開発途上国の自立を促すための、重要な取り組みです。

国内資金は、教育のための最も重要かつ持続可能な資金源です。GPEが支援する開発途上国では、教育資金の3分の2以上を国内資金でまかなっています。 また、GPEでは各国に対して、教育予算がより公平に(最も疎外された人々に届くように配分・支出されるように)また、効率的に(支出された1ドルが学習向上のためにできる限り使われるよう)使われるよう呼びかけています。

GPEでは開発途上国の教育のための国内資金をより多く、より良く確保するために、 様々な取り組みをおこなっています。例えば、グラントを出す条件として、開発途上国に国内資金の動員状況の提示を求めています。さらに、7月に行われた世界教育サミット(ボリス・ジョンソン英首相、ウフル・ケニヤッタ ケニア大統領 共同開催)では、ウフル・ケニヤッタ ケニア大統領 の政治宣言への呼びかけに応じて19カ国の首脳が国家予算の少なくとも20%を教育に充てることを約束しました。この宣言に賛同した国の国内資金の教育関連予算の合計は、 今後5年間で1,960億米ドルに上ります。また、 ジャカヤ・キクウェテGPE理事会議長は11月8日、タンザニアで開催されたYouLead Summit 2021で講演し、 アフリカ諸国の首脳に、教育に関して援助に頼るのではなく国内資金で賄うよう、強く呼びかけました

サミットで手を挙げるGPEパートナー国の首脳たち。2021年7月29日、ロンドン(Credit: GPE/Tom Whipps)
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バヌアツ:災害に強い教育システム構築による自然災害の影響への対応

バヌアツでは、2020年4月6日に熱帯サイクロン・ハロルドの上陸により、約885校の一部または全部が破壊されました。このサイクロンはインフラや生活に広範な被害をもたらし、約51,000人の生徒と2,400人の教師が直接被害を受けました。またバヌアツでは、サイクロンの余波に加え、COVID-19の影響にも対処が必要でした。GPEでは20、21年に合計425万ドルの支援を行いました。この支援には以下の内容が含まれます。GPEの支援は、教育省の実施計画に沿ったものであり、国内外の支援とも重複しないように設計されました。

•サイクロンで被害を受けた幼稚園に7,600点以上の教材を配布

•サイクロンの影響を受けた少なくとも83の小学校に水タンクを設置

•就学前と小学校の子どもを対象とした家庭学習用パッケージの作成支援 •保護者向けのホーム

•スクール・ガイドラインの作成支援

•407の小学校の学校の安全な再開と運営継続の支援

GPEによるバヌアツの支援についてさらに詳しく知りたい方は、バヌアツ:災害に強い教育システム構築による自然災害の影響への対応をご覧ください。

バヌアツの小学校で学習する児童 (Credit: GPE/Arlene Bax)

気候変動と教育に関するGPEの取り組み

気候変動により、災害の頻度と強度が高まり、長期的な環境悪化が加速しています。インフラの破壊、強制移住、生計が立たなくなること、健康への悪影響などの気候変動の影響により、子どもたちのウェルビーイングや就学に悪影響がもたらされます。GPEではこのような気候変動の影響を考慮した教育システム変革の支援を行っています。

質の高い教育は、気候変動の緩和を促進するための知識を人々に与え、気候変動に対応した経済を構築するためのスキルを身につけることにつながります。また、気候変動の影響を受けても子どもたちが学校に通い続けるためには、気候変動に対応した教育システムの構築が必要です。これには、リスクを考慮した設計、気候変動に強いインフラ、気候変動や災害リスクに関するカリキュラムや教師トレーニングなどが含まれます。

GPEは、幼児学習、基礎的スキル、様々な21世紀に必要なスキルを含む、教育の各段階における学習改善に向けて各国を支援しています。これには、カリキュラムや教師のトレーニングを通じて、気候変動教育や災害リスクの認識を促進することも含まれます。GPEによる気候変動に対応した教育システム構築に関するバヌアツの事例をご覧ください。

シエラレオネの学校で、アフリカを示す地球儀を持つ生徒。
シエラレオネ、2015年1月。(Credit: GPE/Stephan Bachenheimer)

COP26における教育関連の議題と成果

国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)が10/31(日)から11/13(土)の間、英国グラスゴーにて開催されました。これらの会議における、教育関連の議題と成果について共有します。

COP26の議長プログラムとして、教育・環境大臣会合が11/5に開催されました。この会議では、 教育担当大臣、気候変動担当大臣、若者たちが一堂に会し、気候変動に前向きな未来を創造するための教育の重要性について議論しました。また、大臣たちは教育と気候変動対策に関するコミットメントを議論しました。 共同議長の結論では、「カリキュラムや教員研修、評価基準、複数のレベルの教育機関などを含む公教育制度において、持続可能性と気候変動を取り入れる」などを含む、力強いコミットメントが行われました。

教育・環境大臣会合の結論

教育・環境大臣会合の動画

COP26では、GPEはマララ基金、UNICEF、UNGEI、Empodera Climate、Plan、UNGEI、YOUNGO、Rise Up Movement、Transform educationとともに、サイドイベント「気候正義、教育、ジェンダー平等、つながりを目指して」を開催しました。ユースリーダー達の声を反映した、力強いイベントとなりました。

GPEによるサイドイベントの動画

東南アジアの若者達の政治参加と日本への示唆

東南アジア諸国では若者が立ち上げた政党によりこれまでの政策が変わろうとしています。一方日本では、第49回衆議院選挙の20代の候補者比率が前回と比べて減少しました。日本でも若者の政治参加を促していくにはどのようにすれば良いのでしょうか。

タイ、マレーシア、インドネシアでは若者が率いる政党が次々と立ち上がっています。長年続いてきた与党や支配政党とは異なり、デジタルファーストで階層の無いプラットフォームを構築して若者を魅了しています。

例えばインドネシアでは、 39歳の元ジャーナリスト、ナタリー氏が率いる「インドネシア連帯党(PSI)」が2014年に設立されました。この党は2019年に行われた国政選挙にも参加しています。 環境、住みやすさ、医療など、若者に関係のある問題を多く取り上げていたり、慣例として通常党の長老が行う決定事項も、PSIでは先輩も後輩もなく全員が平等に参加することなどが特徴です。

日本のGPEでは、開発途上国の教育課題に関心を持つ大学生を中心とした、GPE ユース・アンバサダー・ジャパンがアドボカシー活動を展開しています。日本では、若者の声を政策へと取り入れる機会を増やすことが、政治参加を促す第一歩といえるかもしれません。ぜひInstagramからGPE ユースの若者達の活動の様子をご覧ください。

GPEユース・アンバサダー・ジャパン Instagramページ

Instagramページ

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革新的な資金調達の仕組みGPEマルチプライヤー(GPE Multiplier)

GPEでは、教育への新規・追加の外部資金を動員するインセンティブを生み出すことを目的とした、革新的な資金調達の仕組みである「GPEマルチプライヤー」を2018年から展開しています。

「GPEマルチプライヤー」はドナー支援とGPE資金をマッチングする仕組みであり、GPEからの支援1米ドルにつき、少なくとも3米ドルを他ドナーから動員するものです。以下の図のように、他ドナーからの動員は、民間財団からの助成金、インパクトボンド、二国間ドナーや多国間・地域開発銀行からの譲許的融資など幅広い資金が対象となります。

2021-2025年のGPE新モデルでは、より新規で多様な資金を得やすいよう、以下の2つの取り組みが追加されました。

低いマッチング要件追加:民間や財団を対象に、1:1の比率でマルチプライヤーの活用が可能(他ドナーについてはこれまで通り1:3の比率)

対象セクターレベル要件の拡大:•マルチプライヤーにアクセスするための対象セクターレベル要件が、3分野から「国内資金の公平性、効率性、量」「セクター計画、政策、モニタリング」「データとエビデンス」「セクター協調」の4分野へ拡大

マルチプライヤーの仕組み

日本では、JICAがパプアニューギニア(PNG)で他ドナーとともに策定を支援してきたPNG政府の理数科教育プログラムに対して、GPEよりマルチプライヤーと従来のグラントを合わせ、約11億円の支援が行われました。 日本にとって、マルチプライヤーのような革新的な資金調達の仕組みを活用することで、これまで長年取り組んできた支援のためのリソースを文字通り倍増させることができる、理にかなった方法といえます。

GPE マルチプライヤー

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アフガニスタンの現状とGPEの取り組み

日本によるアフガニスタン支援
10月12日に、アフガニスタンに関するG20首脳テレビ会議が開催され、日本からは岸田文雄内閣総理大臣が出席しました。会議では、G20首脳らがアフガニスタンをめぐる重要な課題を議論し、国際協調の重要性が確認されました。岸田総理大臣は日本の支援として、国際機関を通じた6,500万ドル(約71億円)規模の新規支援を含め、本年中に総額2億ドル(約220億円)の支援を実施する考えを示しました。また岸田総理大臣自身が、20年前にアフガニスタンの学校等を訪れた経験から、 アフガニスタン国内の経済活動や基礎サービスの提供の維持の必要性についても言及しました。

アフガニスタンにおけるGPEの取り組み
GPEは、アフガニスタンの現在の政治情勢が、教育分野、特に女子に与える影響を深く憂慮しています。

GPEは状況を注視しており、GPEが資金提供しているプログラムに対する、アフガニスタンの最近の出来事による影響等について、パートナーと継続的に対話しています。GPEの「脆弱国・紛争影響国に関するフレームワーク」では、合法的な政府や国際的に認知された政府が存在しない状況では、GPEの関与は、「子どもの最善の利益の確保」「システムの保護」「人道的原則」という3原則に基づき構築されることになります。

2011年にアフガニスタンがパートナーシップに参加して以来、GPEは2億米ドル以上を投じてアフガニスタンの教育サービス向上を支援してきました。

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開発途上国の教育支援の効率性を上げる取り組みを教えてください

このコーナーではGPEに関してよくある質問にお答えします。

教育資金の主な財源は国内資金です。しかしながら特に低所得国では、外部からの援助資金が、教育資金の多くを占めています。一方、教育援助は断片的になりがちで、国家予算の仕組みに適合しておらず、取引きコストが高くなったり、調整や実施が非効率になりがちです。

このような背景から、GPEでは「外部援助の整合性(alignment of external aid)」を進めています。これはパートナー国の制度、人材、手続き、ツールを教育支援の中心として活用すること、すなわち教育支援を相手国のセクター政策、戦略、計画だけでなく、より広範な政府機関や公的財務管理システムと整合させることを意味します。これは、教育省だけでなく、可能であれば、財務省、中央銀行、議会、地方自治体 のシステムや手続きとも連携することです。この仕組みにより、各国政府の説明責任が高められ、政策実施に対する共同責任が強化され、外部資金をより効率的に活用できるようになります。

セネガルの例
セネガルでは、GPEとフランス開発庁が共同で、 セネガルの教育訓練セクター計画の実施のためのセクター予算支援を行っています。このセクター予算支援は、国のシステムに完全に整合しており、特別な実行手続きを必要としません。その結果プログラム管理の面で追加の取引コストが発生することもありません。そのため、モニタリングや対話を行う対象は、国の制度や対象となる改革のみで良くなります。

セネガルのオウロソーギのProfessional Training Centerにおける、技術教育法のトレーナー養成。2021年3月。(Credit: UNESCO/ Bruno Deméocq)

教育への外部援助の整合性

セネガルの例

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