次回Friends of Education予告

次回のFriends of Educationは6月上旬に開催予定です。テーマは「日本の国際教育協力機関とGPEの連携」を予定しています。

次回の目的:

・JICAやセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンがGPEと連携することでどのような相乗効果が生まれているのか、日本にとってどのようなメリットがあるのかを知る。

・教育協力を通じて日本のビジビリティ―を高めるために、多様なステークホルダー間でどのような連携が将来的に可能か検討する。

登壇予定者:JICA人間開発部担当者

      セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン担当者

      GPE上級教育専門官ら

Friends of Education特別セッションを開催しました

3月8日午後には同時期に来日していた教育基金「Education Cannot Wait」(略称:ECW、日本語名「教育を後回しにはできない」)と合同で、国際教育協力勉強会 Friends of Educationの「特別セッション:GPE•ECWトップとの対話~G7広島において教育大国•日本のプレゼンスを高めるには~」を開催しました。国会議員や政府関係者、教育関係者の皆様にご参加いただきました。また、フィンランド政府にゲストとして登壇して頂き、ウクライナでの教育支援の経験談を共有いただきました。

開催目的

1)緊急時及び長期化する危機下の教育支援現場において、GPEとECWの協働の状況について参加者の理解を深める。

2)この二機関への支援や連携を行っている先進国による現場での協働事例について学ぶ。

3)日本としてどのような戦略的連携が出来るのか参加者とともに議論を深める。

特別セッション 議題

1)初めの言葉:JNNE(教育協力NGOネットワーク)柴田哲子

2)ご挨拶:公明党代表 山口那津男議員

3)キーノートスピーチ ラウラ・フリジェンティ GPE CEO

4)キーノートスピーチ ヤスミン・シェリフ ECW事務局長

5)ご挨拶:公明党 谷合正明議員

6)ご挨拶:自民党 逢沢一郎議員

7)現場での連携ケーススタディ:ウクライナを事例に 

7.1  趣旨説明 JNNE 柴田哲子

7.2  フィンランド政府によるウクライナ教育支援  Ms. Sirpa Oksanen, Director of Eastern Europe and Central Asia Unit at the Ministry of Foreign Affairs of Finland

7.3  議論

論点①:人道支援・開発支援の混在する地域で活動するGPE/ECWとの戦略的連携・支援の在り方とは

論点②:ウクライナの教育分野において日本のプレゼンスを高める    支援の在り方とは

8)ご挨拶:自民党青年部代表 鈴木憲和議員

9)ご挨拶:井本佐智子 独立行政法人国際教育協力機構理事

10)ご挨拶:松本好一朗 外務省国際協力局地球規模課題総括課長

11)ご挨拶:公明党 高橋光男議員

12)終わりの言葉・アナウンス GPE事務局 小田理代

<セッション開始前に、参加して下さった議員の先生方と。左から、高橋光男議員、谷合正明議員、公明党•山口那津男代表、逢沢一郎議員、山本朋広議員、鈴木憲和議員、ECW・ヤスミン・シェリフ事務局長GPE・ラウラ・フリジェンティCEO>

セッションでは、国会議員の皆さま方、ECW、GPEから建設的な意見が出されました。一部を抜粋してお伝えします。

<挨拶する山口代表>

公明党代表 山口那津男議員 挨拶

教育を受けられない人々に対して、日本が国際機関とともに応援し、困難な状況の改善に貢献していきたい。学校に通えていない子どもたち、学校には通えているが紛争や飢饉などで教育が受けられない子どもたちが世界に数億人いる中で、日本の経験共有や役割が求められていると感じている。

今年は日本がG7の議長国となり、5月に広島でサミットが開催される。その中の重要な議題として地球規模の課題が含まれており、そこには教育も含まれる。岸田総理大臣のリーダーシップのもと、G7の首脳と大きな方向性を共有できるようバックアップしていきたい、とご挨拶いただきました。

GPE ラウラ・フリジェンティCEO キーノートスピーチ

日本は人的資本に大きな投資を行うことで急速な成長を遂げ、世界第2位の経済大国となっていった。いかに教育が社会を安定させてきたか、この好循環が重要であるかを日本はよく理解している。日本の奇跡を起こしたこの教育の好循環を促進するために、岸田首相が教育チャンピョンに表明されて以降、日本が引き続きグローバルにおいて教育チャンピョンであり続けることが重要で、G7において教育を最も重要な課題と位置付けることが重要である。日本が教育のチャンピョンになっていただいたことに感謝する、と述べました。

<挨拶する谷合議員>

自民党 谷合正明議員 ご挨拶

国際機関において従来より言われている人道、開発、平和のネクサス(連携)は重要。今年はSDGsサミットの開催があるが、日本は新しい開発協力大綱を定める年でもある。人間の安全保障を基軸とした教育に対する、人道、開発、平和のネクサス(連携)が必要になり、GPE、ECWがその役割を担っていると思うため、日本政府としても後押しをしていきたい、とお話いただきました。

<挨拶する逢沢議員>

自民党 逢沢一郎議員  ご挨拶

教育こそが人の未来を切り開くもので、教育を受けられれば、自己実現できる力となる。ウクライナやミャンマーの子どもたちがリーダーにならなければならない、その人道支援の中心に保健と教育を位置付ける必要がある、とご自身の難民支援の経験も交えて述べられました。

<議論で発言する高橋議員>

議論 公明党 高橋光男議員

人道支援・開発支援の混在する地域ではコラボレーションやパートナーシップがキーワードであり、国際的な連携が重要。日本の戦後復興、震災からの復興を他国に伝えることができればと、2日前に行われた予算委員会で日本のポーランド支援が決定した話を共有され、また、外務省時代にアンゴラで復興を見届けた経験もお話になりました。

議論 自民党 鈴木憲和議員

今年1月、GPEを始めとするメンバーや鈴木貴子議員と共に行ったエチオピア視察で感じたことをお話になりました。GPEに拠出している額を今後増やし、日本政府のサポートを強めるべきであると感じたとのことです。また、ユースからの質問にもご回答頂きました。

上記以外の主な参加者

山田太郎議員代理・小寺秘書、御法川信英議員代理・関根秘書

広島大学・吉田教授

大妻女子大学・興津教授

外務省国際協力局地球規模課題総括・松本課長、小林課長補佐

独立行政法人国際教育協力機構・井本理事

JICA人間開発部基礎教育グループ・中条様、舘野様

東京書籍株式会社・笹村様

公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの皆さま

公益社団法人シャンティ国際ボランティア会の皆さま

特定非営利活動法人ワールド・ビジョン・ジャパンの皆さま 公益財団法人 プラン・インターナショナル・ジャパン・澤柳様ら

エチオピアの現地視察報告会:第2回Friends of Educationの開催

鈴木貴子議員、鈴木憲和議員によるエチオピアの現地視察(1面参照)の報告会を2月1日に開催しました。報告会では、まず、日本の教育協力政策の評価と今後に向けた提言について広島大学の石田教授よりお話ししただき、それを受けて、鈴木貴子議員、鈴木憲和議員より、エチオピアの現地視察の報告が行われ、現地視察から得られたメッセージ3点が参加者に伝えられました。

まずは、昨年度の外務省の教育協力政策の第三者評価で評価主任を務めていた広島大学教育開発国際協力研究センターの石田洋子教授に日本の国際教育協力政策に対する評価の概要を説明いただきました。石田教授からは、次期政策策定への提言として、他ドナーや他のアクター・事業との連携を強化し、コレクティブ・インパクトを示すことや、ネットワーク型アプローチや多国間・二国間援助機関との連携を強化すること、GPEなど多様な援助モダリティを活用することなどを含む5点が示されたことについても、説明いただきました。

続いて、鈴木貴子議員、鈴木憲和議員により、エチオピアの現地視察の報告が行われました。2名の議員からは、エチオピアで学校訪問をした際の保護者や児童生徒との印象的な対話などが共有され、以下の3点が重要であることが示されました。

1.ECWへの新たな拠出を行うこと

2.教育を日本が支え、それが平和につながるのだというメッセージを示していくためにも、 GPEへの拠出を増額をしていくこと

3.日本の開発途上国でのビジビリティを上げるためにも日本の組織がCA・GAになること

参加者からは、「これからのフォローアップが大事、相互補完的、バイの連携を進めていくためにも、GPEとの連携をお願いしたい」といった意見や、「教育支援について日本のプレゼンスを高めることが大事」という意見が述べられるなど、第1回に続き、今回も大変熱い議論が交わされました。

次回は3月8日に、GPE とECWの両CEOによる特別セッションが行われる予定です。特別セッションの様子はまたニュースレターで報告いたします。

「Friends of Education」:国際教育協力に関わる多様なステークホルダーで構成されるグループ。日本が教育協力の分野でどのようにビジビリティ―を高め、マルチの枠組みと連携をしながら効果的に貢献していったら良いかを議論。第1回は「国際教育協力政策と日本の外交」のテーマで2022年12月開催。

Friends of Education キックオフ会開催

国際教育協力に関わる多様なステークホルダーで構成される「Friends of Education」(GPEが事務局を運営)は、日本政府が政策上の重要課題として掲げる「人への投資」を行うにあたり、日本が教育協力の分野でどのようにビジビリティ―を高め、マルチの枠組みと連携をしながら効果的に貢献していったら良いかを議論し、日本政府に対して政策提言を行うことを目的としています。 第1回のキックオフ会が12月15日に開催され、「国際教育協力政策と日本の外交」をテーマとし、国会議員、政府、アカデミア、NGO、民間・財団など合計45名が参加しました。

早稲田大学の黒田一雄教授から「国際教育協力政策と日本の外交に関する議論」というテーマで、「なぜ国際教育協力なのか」「国際教育協力が国益にどのように資するのか」という問いについて、お話をしていただきました。参加者からは、「JICAのプロジェクト等の現場レベルの良いプロジェクトをマルチによる政策レベルと連携することにより、スケールアップしていくことを期待したい」、「特定のパートナー国において日本の団体が効果的にの連携するには具体的なモデルを示すことが必要ではないか」、「最低限の生活を確保しその上で教育を支援することが必要」など、様々な意見が出されました。

次の勉強会は2月1日に開催される予定です。勉強会の様子はまたニュースレターで報告いたします。