インドネシアで開催されたG20において「教育」を最優先アジェンダとするために世界のユースと一丸となって、アクションしました

フェイクニュースを現実のものに。

The Daily Newsに「G20は、新しい教育アプローチによりグローバルな変化をもたらす。教育は出費ではなく、投資であると評価され、数百万人の学習増加を実現」という見出しの記事が出版されることを願って、左記画像を世界の約20ヵ国のユース達と一緒にSNS発信しました

Open Letterを届けよう。

GPEや教育省、NGO等が共同で発信したインドネシア政府へのOpen Letter「G20での教育の優先順位を守るために」をグローバルユースのSNSを活用し、各国のリーダーに向けて発信しました。Letterは、現在2億2200万人以上の子供たちの教育が危機にさらされており、すぐにアクションする必要性があること、すべての子どもが学校に通い、学ぶことは、法的にも道徳的にも、そして社会的にも当然の権利であることは明らかであり、経済的、社会的なにも必要不可欠なことだと訴えています。初等教育から成人教育までの包括的な教育システムに投資することは、COVID-19 の復興を加速させ、これからの持続可能な成長のための基盤を作るために不可欠であることが証明されていることも伝えられました。

結果として、みんなの思いが届き、G20 Bali Leaders’Declaration において「教育アクセス」「女子教育」「デジタルスキル、リテシーと変革」などの多くの分野で「教育」に関する言及がありました。これはこれからの未来のための大きな一歩だと思います。

こども庁創設に向けた、インドネシア・英国へのヒヤリング

29日に「こども政策の推進に係る有識者会議」より提出された報告書を踏まえ、政府はこども庁の2023年度創設に向けた基本方針策定に向けて動き始めました。GPEは、こども庁創設に向けた動きを支援するため、山田太郎議員と自見はなこ議員の依頼を受けて、英国・インドネシアにヒヤリングを実施しました。

こども庁創設に向けた議論の背景

日本では、今年の9月16日には内閣官房にて「こども政策の推進に係る有識者会議」が発足、岸田文雄首相のもとで、こども庁創設に向けた担当大臣として野田聖子議員が任命されました。また11月29日には有識者会議より岸田首相に「こども基本法(仮称)」の制定などを求める報告書が提出され、政府がこども庁の2023年度設置に向けた基本方針策定に向けて動き始めています。

日本ではこのように、こども庁設置に向けた動きが加速していますが、諸外国では既にこどもに関する政策について進んだ取り組みを行っている国があります。GPEはこれまで、パートナー国において、子どもや若者の支援を教育政策の改革を通して行ってきました。また、質の高い教育の実現に向け、国際教育協力に関心のある世界各国の国会議員を結ぶ、国際教育議連(IPNEd)とも深い関係を築き、世界中の国会議員を繋いで教育課題についてお互いに議論し、学びあう場を設けてきました。GPEでは今回、こども庁設置に向けて取り組んできた、山田太郎議員と自見はなこ議員の依頼を受け、こども庁設置に向けた設置法案の検討のために、インドネシアと英国へのヒヤリング支援を行いました。

インドネシアへのヒヤリング

インドネシアは、政府系の非営利シンクタンクであり、LEG(Local Education Group)のメンバーでもあるPSPKとインドネシアの教育におけるこどもの福祉について議論を行いました。本ヒヤリングには、内閣府と外務省(国際協力局とアジア大洋州局)からもご出席いただきました。PSPKからは、教育におけるこどもの福祉政策を推進するために、児童生徒の学習環境のサーベイも含んだ全国テストの導入や、テストの点数だけでなく、児童生徒の幸福と個性を重視した新カリキュラムの策定などの取り組みが共有されました。

英国へのヒヤリング

英国からは、過去に教育大臣などを歴任したスティーブン・ツイッグ氏(英連邦議会協会事務局長)、スコットランド第一大臣や、教育大臣などを歴任したジャック・マコネル卿議員に参加いただきました。また、当日参加できなかったティム・ロートン議員には事前にお送りした質問への回答として、ビデオメッセージをお送りいただきました。

山田議員からは、こども庁の機能として、省庁間の「縦割りの壁」、国家、都道府県、地方自治体の各レベルにおける政策の「横割りの壁」、出産、幼稚園から小学校に上がる時、大人になる時の「年代の壁」の3つの壁を取り除くことを目指していることが示されました。またこれを受けて、子どもコミッショナーの設計、政府の調査権の設計、子どもに関する問題の発生を事前に把握する仕組みづくりの設計について、英国の国会議員へと質問が行われました。

スティーブン・ツイッグ氏とジャック・マコネル卿議員からは、それぞれ自身が教育大臣だった時の取り組みについて、具体的な政策事例を紹介していただきました。また、国際教育協力が政策において優先されるために、ハイレベルな政治の意思決定とそれに基づく政府・省庁間の政策の優先順位付けを行うことが大切であること、英国においては省庁の統合を行った結果、 外務・英連邦・開発省(FCDO)が新設され、子どものニーズと教育に責任を持つ役割の大臣の設置が規定されたことなどが共有されました。

参加者からは有意義な会であったとのコメントが聞かれました。GPEでは引き続きこども庁設置に向けた動きを支援していきます。

英国の国会議員へのヒヤリングの様子。2021年11月23日。

東南アジアの若者達の政治参加と日本への示唆

東南アジア諸国では若者が立ち上げた政党によりこれまでの政策が変わろうとしています。一方日本では、第49回衆議院選挙の20代の候補者比率が前回と比べて減少しました。日本でも若者の政治参加を促していくにはどのようにすれば良いのでしょうか。

タイ、マレーシア、インドネシアでは若者が率いる政党が次々と立ち上がっています。長年続いてきた与党や支配政党とは異なり、デジタルファーストで階層の無いプラットフォームを構築して若者を魅了しています。

例えばインドネシアでは、 39歳の元ジャーナリスト、ナタリー氏が率いる「インドネシア連帯党(PSI)」が2014年に設立されました。この党は2019年に行われた国政選挙にも参加しています。 環境、住みやすさ、医療など、若者に関係のある問題を多く取り上げていたり、慣例として通常党の長老が行う決定事項も、PSIでは先輩も後輩もなく全員が平等に参加することなどが特徴です。

日本のGPEでは、開発途上国の教育課題に関心を持つ大学生を中心とした、GPE ユース・アンバサダー・ジャパンがアドボカシー活動を展開しています。日本では、若者の声を政策へと取り入れる機会を増やすことが、政治参加を促す第一歩といえるかもしれません。ぜひInstagramからGPE ユースの若者達の活動の様子をご覧ください。

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