ウェビナー「Costs of failure to invest in education in Syria」のご案内

シリア北東部にて、通学中の子どもたち
出典:UNICEF/UN0642612/Al-Kheder

ユニセフとGPEが共催するシリアの教育のついてのセミナーが、来週6月27日(火)日本時間22時から開催されます。

ウェビナーの目的
・シリアをはじめとする脆弱で紛争の影響を受けやすい状況における教育制度への投資の効果について、具体的な証拠を共有する
・シリアやその他の脆弱で紛争の影響を受けやすい状況における教育への継続的かつ体系的な投資のための現在進行中の取り組みを共有する。

モデレーター
ジョー・ボーン(GPE・チーフテクニカルオフィサー)

スピーカー
・ロブ・ジェンキンス(ユニセフ・グローバルエデュケーションチーフ)
・フリードリッヒ・アフォルター(ユニセフ・シリア エデュケーションチーフ)

プレゼンター
・ブルース・ラスムッセン教授(Victoria Institute of Strategic Economic Studies)

シリアはGPEのパートナー国ではありませんが、GPE理事会が例外として承認して、2900万ドル近い資金援助を受けています。

遅い時間帯ですが。ぜひご参加ください。詳細はこちらです。

GPEはシリア・トルコ地震による緊急の教育支援としてシリア側に約400万ドルを拠出

2023年2月9日、シリア北西部、地震で倒壊した建物の瓦礫の中を歩く子ども
出典:UNICEF / UN0781628

2月6日にトルコとシリアの国境付近でマグニチュード7を超える大地震が起きました。被害の詳細はまだ明らかになっていませんが、国連は400以上の学校が被害を受けたと推測しています。加えて、数百の学校が避難所として利用されています。GPEは最大で5000万ドルを長期的な支援として拠出すると発表しました。

まずは、シリアの被災地の子どもたちの緊急ニーズに応えるため、GPEから375万ドルの資金が拠出されました。これにより、一時的な学習場所の設置、破損した学校の清掃と修復、学校給食の提供、心理社会的支援をすることが出来ます。

GPEのラウラ・フリジェンティCEOは「このような大規模災害の影響は、今後何年にもわたって続きます。GPEは、今後3年間でシリアの子どもたちの教育支援のために最大5,000万ドルを動員することを目指し、地震被災地の子どもたちが学び続け、未来への希望を持てるように、パートナーと協力します。私たちは、被災地で活動する団体と毎日連絡を取り合い、ECW、国連機関、その他の開発パートナーと非常に緊密に連携を取ります。」とコメントしています。

このような悲劇的な出来事の後では、子どもたちができるだけ早く学校に戻れるようにすることが重要です。学校は子どもたちに安全と平常心を与え、危険から守り、安全な場を提供します。また、カウンセリングやその他の重要なサービスを受ける場にもなります。

日本の支援:シリアでの教育システムの変革

シリア中部のホムス地方に住むアメア(15歳)(クレジット:UNICEF/Syria/2022/ Abdallah Agha)

日本によるGPEへの2022年の拠出のうち160米万ドルはシリアの支援に関するものでした。日本の支援による、シリアのノンフォーマル教育プログラムによる教育システムの変革の進捗を報告します。

最近の調査結果によると、シリアでは学齢期の障がいを持つ子どもの65%が学校やその他の教育機関に通ったことがなく、障がいを持つ子どもたちは大きな障壁に直面しています。そのため、本プログラムではノンフォーマル教育プログラムを支援し、アレッポ、ホムス、イドレブで377人の障害のある子どもたち(女子209人、男子168人)に支援が行き届くようになりました。

全文はこちら

GPEユースリーダー達による、遠藤彰氏へのインタビュー

GPEユースリーダー達が、在シリア日本国大使館シリア臨時代理大使兼シリア特別調整官の遠藤彰氏へインタビューを行い、脆弱な紛争国の子どもたちを支援する日本の取り組みや、教育に対するODA政策についてお話を伺いました。

日本は第4回国際教育の日(1/24)にGPEに850万米ドルの拠出を表明しました。その資金の大半は紛争中の国々にあてられ、620万米ドルはイエメンに、160米万ドルはシリアの支援に用いられる予定です。 残りの約70万米ドルはGPE基金として用いられ、各国の教育セクター計画の策定・実施の支援に役立てられます。

日本のプレッジについて詳しく知るために、2人のGPEユースリーダーが、在シリア日本国大使館特別調整官兼臨時代理大使の遠藤章氏に、脆弱な紛争国の子どもたちを支援する日本の取り組みや、教育に対する政府開発援助(ODA)政策についてインタビューしました。

以下にユースリーダー達の遠藤彰氏への質問を紹介します。

インタビュー全文はこちらからご覧ください。

Q.日本がG8を主催した2008年には、「万人のための教育-ファスト・トラック・イニシアティブ(EFA-FTI、GPEの前身)」という重要なドナーとの会議も開催されました。2023年に開催されるG7サミットで、日本がSDGs4についてどのようなことを予定されているのですか?

Q.シリアの子どもたちが教育で直面している課題と、それに取り組むための日本の優先順位は何でしょうか。また、GPEのシリア支援に期待することは何ですか?

Q.日本のODAの教育政策「平和と成長のための学びの戦略」に大変興味を持っています。国際社会が「教育の変革」に向かっている今、日本もODA戦略を見直すべきとお考えでしょうか。

Q.日本はODA政策の中で、人間の安全保障の推進を優先していると聞いています。特に脆弱な国や紛争国において、子どもたちが直面する課題を克服するために、日本はどのような戦略をとっているのでしょうか。

インタビュー全文はこちらからご覧ください。

GPEユースリーダー達による、 遠藤彰氏(在シリア日本国大使館シリア臨時代理大使兼シリア特別調整官)へのインタビュー

GPEのユースリーダー達は、在シリア日本国大使館の遠藤彰シリア臨時代理大使兼シリア特別調整官へのインタビューを実施し、脆弱な紛争国の子どもたちを支援する日本の取り組みや教育に対する政府開発援助(ODA)政策について伺いました。

日本は最近、GPEに850万ドルの拠出を表明しました。その資金の大半は紛争中の国々にあてられ、620万米ドルはイエメンに、160米万ドルはシリアの支援に用いられる予定です。 残りの約70万米ドルはGPE基金として用いられ、各国の教育セクター計画の策定・実施の支援に役立てられます。

日本によるプレッジをより詳しく知るために、GPEのユースリーダー2名が、在シリア日本国大使館シリア臨時代理大使兼シリア特別調整官の遠藤彰氏に、脆弱な紛争国の子どもたちを支援する日本の取り組みや、教育に対する政府開発援助(ODA)政策についてインタビューしました。

参加者紹介

Ayesha Farahさん:イギリス系ソマリア人。グローバル教育の熱烈な支持者であり、若者の参加の力による変革に尽力しています。

中野友絵さん:日本人。すべての人にとって質の高い教育が不可欠であると固く信じており、特に幼児教育に関心を持っています。

遠藤彰氏:在シリア日本国大使館シリア特別調整官兼臨時代理大使。

ーーーー

Ayesha Farahさん:日本がG8を主催した2008年には、「万人のための教育-ファスト・トラック・イニシアティブ(EFA-FTI、GPEの前身)」という重要なドナーとの会議も開催されました。2023年に開催されるG7サミットで、日本がSDGs4についてどのようなことを予定されているのですか?

遠藤彰氏 :ご指摘の通り、日本は過去のG7/G8議長国において、教育分野での取り組みを行ってきました。例えば、G7伊勢志摩サミットでは、女子教育の重要性に光を当てました。来年のG7サミットでは、これまでのG7の成果や今年のドイツ議長国としての優先事項を踏まえ、どのような成果が得られるか検討したいと思います。

ーーーー

Ayesha Farahさん:シリアの子どもたちが教育で直面している課題と、それに取り組む日本の優先順位について教えてください。また、GPEのシリア支援に期待することは何ですか?

遠藤彰氏: 2011年にシリア危機が勃発して以来、2022年はシリア・アラブ共和国での紛争は11年目を迎えます。家族やコミュニティは、暴力、移住、社会経済的な困窮、パンデミックによる健康被害、トラウマを経験し続けています。

UNOCHAは2020年に、国内では、避難生活、敵対行為にさらされること、基本的な商品やサービスへのアクセスが制限されることによる脆弱性から、その年に470万人の子どもを含む1110万人以上が人道支援を必要とするだろうと述べています。

紛争は、SDG4達成に向けた進捗を妨げています。シリア危機以前は、ほぼすべての子どもたちが初等教育に就学しており、中等教育の就学率は76%でした。紛争の悪化により、特に弱い立場にある多くの子どもたちが学校に通えていません。

日本はシリアと長年にわたり関係を築いてきました。2012年以降、日本は国際機関を通じて、シリアとその周辺国に32億米ドル以上の緊急・人道支援を提供してきました。日本は、シリアにおける人道支援へのアクセスを強化するために、国際社会と緊密な連携を続けていきます。

シリアへのプレッジは、困難に直面しているすべてのシリア人に人道支援を届けるという、日本の揺るぎないコミットメントの一環です。日本は、GPEがシリアのすべての子どもたちが質の高い教育を受けられるように支援することを期待します。

2014年6月2日、レバノン・ベイルートのBourjhammoud Public School #2で、数学の授業中に学校の先生であるMerna Faddoul(中央上)の話を聞くシリア難民の学生たち。(Credit: Dominic Chavez/World Bank)

中野友絵さん:日本の教育に対するODA政策「平和と成長のための学びの戦略」に大変興味を持っています。国際社会が「教育の変革」に向かっている今、日本の教育に関するODA戦略も見直すべきとお考えですか?

遠藤彰氏:「平和と成長のための学びの戦略」は、2015年9月の国連サミットでSDGsが採択されたことを機に、日本が発表した教育分野における国際協力に関する政策的な方向性です。

この方針では、相互学習による質の高い教育をビジョンとして掲げ、次の3つの指針を掲げています。(1)包括的で公平かつ質の高い学習を実現するための教育協力、(2)産業・科学技術人材の育成と持続可能な社会経済発展のための教育協力、(3)教育協力のための国際・地域ネットワークの構築と拡大。

現在、この方針に対する外部評価が行われており、評価の勧告に基づいてこの方針が改訂される予定です。

ーーーー

中野友絵さん:日本はODAの中で、人間の安全保障の推進を優先していると聞いています。特に脆弱な国や紛争国において、子どもたちが直面する課題を克服するために、日本はどのような戦略をとっているのでしょうか。

遠藤彰氏: 日本の開発協力大綱では、人間の安全保障の推進を優先しており、これは日本の開発協力の根幹にある原則です。この原則に基づき、日本は子どもや女性、障害者といった社会的弱者の支援に力を入れてきました。

また、人間の安全保障を推進するために、日本は開発協力大綱において脆弱な紛争国を支援する方法として平和構築を優先し、紛争から復興・開発までのあらゆる段階において、子どもを含む個人の保護とエンパワーメントのための努力を強調してきた。

実際、国際社会による平和構築への支援額は2018年には51億7500万ドルで、ODA全体の約2.5%を占めています。これは、平和構築への援助額においては、他の国の中でも8番目に大きな額です。

日本がGPEに対してシリアとイエメンの教育プログラムを支援することを約束したことは、GPEの開発協力大綱に沿ったものです。日本政府は、シリアとイエメンの子どもたちの継続的な教育支援に貢献できることを喜ばしく思います。

聴覚障害者福祉リハビリテーション協会で、聴覚障害のある生徒と向き合う先生。開発社会基金は、教師への研修や機材の提供を通じて、同センターを支援しています。イエメン共和国(Credit:Dana Smillie / 世界銀行)

Ayesha Farahさんと中野友絵さん:日本は最近GPEへのプレッジを表明しました。日本の教育支援へのコミットメントについてさらに詳しく教えてください。

遠藤彰氏:日本は今年、GPEに合計850万ドルを拠出することを表明しました。620万ドルはイエメン、160万ドルはシリアに、残りはGPE基金が各国の教育セクター計画の策定・実施の支援に役立てられる予定です。

日本は、最も弱い立場にある恵まれない子どもたちの教育支援を重視しており、今後も国際社会と連携し、SDG4達成に向けた支援を強化していきます。

ーーーー

インタビューでは、遠藤氏から国際平和と安全保障への関心と情熱から、外交官を目指した経緯についてお話しいただきました。

また、遠藤氏は2人のユースリーダー達に、なぜ人道支援に情熱を注ぐのかを尋ねました。これに対し、Ayesha Farahさんは、家族が英国に移住する前、ソマリアで危険な目に遭い苦しむ子どもたちを目の当たりにし、自分もその一人だったかもしれないと思った経験を語りました。

また、教師になるか人道支援に携わるのかのキャリア選択の際には、19歳のときにタンザニアで幼児教育に携わった経験から、教師になる以外にも多くの子どもたちを学校に通わせる方法があることに気づいたことを紹介しました。

また、中野友絵さんさんは、質問に対して「日本は戦争から復興したのだから、脆弱な国や紛争の影響を受けている国を支援するために、日本ができることはたくさんあると感じている」と答えました。

インタビューの最後に、2人のユースリーダー達は遠藤氏に感謝の意を表し、日本が国際社会の一員として教育の質の向上に貢献できるよう、今後も歩みを続けることを期待することを述べました。

英語の原文:GPE Youth Leaders’ Interview with Mr. Akira Endo, Special Coordinator for Syria and Chargés d’Affaires ad interim, the Embassy of Japan in Syria

プレスリリース:日本政府、GPEに800万米ドル超の拠出を表明

イエメン。サヌアのカルディ校で学年末試験を受ける生徒たち。
(Credit: Bill Lyons/ 世界銀行)

GPEは、第4回国際教育の日(1/24)に、日本から850万米ドルのプレッジがあったことをプレスリリースとして発表し、日本のプレッジに対して感謝の意を表しました。GPEでは、今後も日本と共に開発途上国の教育システムの変革に向けて取り組んでいきたいと考えています。

約620万米ドルがイエメン、約160万米ドルがシリアの支援に用いられる予定です。これらの資金は、現在進行中の紛争、暴力、食糧不足によって生活に深い影響を受けている最も弱い立場にある子どもたちの継続的な学習支援に役立てられます。残りの約70万米ドルはGPE基金として用いられ、各国の教育セクター計画の策定・実施の支援に役立てられます。

塚田玉樹在米国日本国大使館特命全権公使のコメント「我が国は、紛争影響国の子ども等、最も脆弱で不利な立場に置かれた人々への教育支援を喫緊の課題として重視しており、今般のイエメン、シリアの教育支援を含むGPEへの拠出により、これら厳しい状況にある子供たちの教育へのアクセスが維持されることに貢献したいと心から願う。日本は引き続き国際社会と連携し、SDG4「質の高い教育を皆に」の達成に向け、教育分野の支援を強化していく。」

アリス・オルブライトGPE最高執行責任者コメント「この資金は、特に紛争の影響を受けている最も弱い立場にある子どもたちを支援するものです。日本が引き続き世界の教育に関与し、すべての子どもたちが学ぶことができるよう支援することを期待しています。」

プレスリリースの全文(日本語 英語

イエメンの支援

グラント総額:US$47,400,000(内、日本政府の拠出:約620万米ドル)

プログラム名: イエメン教育と学習の回復興支援プロジェクト

期間:3.5年間(日本の支援は1年間)

目的: イエメン共和国の特定の地区において、基礎教育へのアクセスを維持し、学習条件を改善し、教育セクターの能力を強化する。

対象校の子どもたちに適切で安全な学習空間へのアクセスを提供し、基礎教育レベルのアクセスを維持し、学習を支援する。そのために、教師への支援、学校給食、学習教材や学用品、対象校における学校インフラの復旧などを行う。また、進行中の紛争、治安の悪化等の理由で学校が閉鎖または中断された場合、対象県の基礎教育学齢児童に遠隔代替教育の提供を行う。

シリアの支援

グラント総額:US$18,746,532(内、日本政府の拠出:約160万米ドル)

プログラム名: 公平性と学習の向上を目的とした、 シリアの子どもたちの学びの道筋の強化

期間:3年間(日本の支援は1年間)

目的: 脆弱な子どもたちの学習機会への参加を改善し、基礎的なスキルや生活スキルの習得につなげる。

ノンフォーマル教育の強化、幼児教育の強化や導入、障害のある子どものインクルージョンに関するガイダンスの開発や実施のためのトレーニング支援などを行う。また、シリアの子どもたちは、紛争等の影響により不安やトラウマを抱え、このことが、学校への参加や学習能力に直接的な影響を及ぼしている。そのため、教師への生徒の社会的・感情的スキルの発達を育む研修プログラムの提供も行う。