アリス・オルブライトGPE CEOの退任声明

アリス・オルブライトGPE CEOがYokon-Gbeme小学校を訪問

アリス・オルブライトGPE CEOがミレニアム挑戦公社(Millennium Challenge Corporation。2004年に米国議会によって設立された貧困削減を目的とした米国の対外援助機関)の長官就任のため2月15日にGPEを退任します。退任にあたり発表された声明を紹介します。

9 年前、私はGPEのCEOに任命された際、身の引き締まる思いと共に、大変光栄でした。それ以来、献身的な各国のパートナーや支援者とともに、GPEは世界で最も疎外された子どもたちのために多くのことを成し遂げてきました。私はこの素晴らしい組織を離れ、世界の貧困削減に取り組むミレニアム挑戦公社の指揮を執ることになり、GPEと私は共に新たな章を歩み始めます。

GPEの成果、成長、政治的関与を振り返る前に、GPEが支援する子どもたちについて取り上げたいと思います。私はこれまで、ミッションで学校を訪問する中で、たくさんの子どもたちと出会ってきました。質の高い教育を受け、成長している子どもたちの顔です。まず、バーシャを紹介します。

ネパールの田舎町マホッタリ地区に住むバーシャは、弟妹と家畜のヤギの世話をしなければならなかったため、学校に行っていませんでした。しかし、ある革新的なプログラムによって、バーシャの両親は彼女を1日2時間の非公式の補習クラスに通わせることにしました。 9ヵ月後、彼女は多くのことを学び、他の12歳の子どもたちと同じ学年の普通学校に通えるようになったのです。現在、バーシャの夢は教師になること。文字通り、教育が彼女の人生を変えているのです。

大陸を隔てたモーリタニアの首都ヌアクショット郊外にあるタルヒルで、アイシェトゥは家族と一緒に暮らし、地元の小学校に通っています。GPEは、多くの子どもたち、特にアイシェトゥの姉ような、少女たちの中学校進学が困難な地域において、政府による「proximity schools」の建設を支援してきました。アイシェトゥはこのようなコミュニティ・スクールのひとつで8年生に入学し、活躍しています。

バーシャとアイシェトゥだけではありません。20年近く前にGPEが設立されて以来、私たちのパートナー国では、以前の2倍の少女達を含め、1億6000万人以上の子どもたちが学校に通うようになりました。これは、教育省、市民社会団体、教師、企業グループ、財団、その他のドナーを含む多くのパートナーの支援なしには実現しなかったでしょう。本当に感謝しています。

GPEは結果を出すことに徹底的にこだわり、その結果、パートナー国の70%で学習成果が向上しています。さらに、私たちは男女の格差を縮めています。男子と女子の初等教育修了率の差は、5年前の6.1%から現在は3.4%に減少しています。現在、GPEはジェンダー平等を運用に組み込み、新戦略計画のもと女子教育へのグラントを設けており、この分野での飛躍的な成長が期待されます。

(中略)

GPEは、何が有効であるかに焦点を当て、機敏で野心的であり続け、危機感を持って活動することで、進展を加速させることを約束します。 このような活動を行うことができるのは、 パートナーシップの能力の幅と深さのおかげで、 GPEがこれまで多くのことを成し遂げてきたためです。そして、「どうすればもっとうまくいくか」を常に自問自答しているからこそ、成功し続けているのです。私がパートナーシップの未来に大きな楽観と自信を感じることが、 GPEには多くあります。その大きな要因の1つは、GPE事務局の非常に献身的で才能豊かなチームであることです。これほど弾力性に富み、賢く、献身的な人々 ー様々なバックグラウンドを持ちながらも、より多くの子どもたちがより良い教育を受けられるようにするという唯一の目標に向かって団結しているー と仕事をしたことはありませんでした。

GPEの仲間たちと一緒に働けたことは本当に光栄でしたし、私がGPEにいた間に達成したすべての成果は、彼らの努力によるものです。 この素晴らしい組織を去るにあたり、私はパートナーシップの能力によって人生が左右される少年少女たちを中心に、何度も何度も挑戦に立ち向かいながら GPEが大規模な変革を推進する姿を、今後も見ていくことになること確信しています。

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デンマークとレゴ財団、GPEの女子教育アクセラレーターに1,500万米ドル超をプレッジ

エチオピア、2019年1月。授業中に教科書を共有するMakbel Henokさん(左)とクラスメート。Makbelは7歳(2年生)。(Credit: GPE/Alexandra Humme)

GPEではデンマーク外務省とレゴ財団から新たに1億デンマーククローネ(約1,500万米ドル)のプレッジを受けたことを感謝いたします。

GPE最大の財団寄付者であるレゴ財団からの新たなプレッジにより、女子教育アクセラレータへのプレッジに、2021年7月の世界教育サミットの700万米ドルから追加され、総額1,500万米ドルとなりました。これは、すべての女子と男子に平等な教育機会を提供するためのGPEの活動を支援するという、財団の力強い取り組みを示しています。革新的資金調達の仕組みである「GPE Match」を通じて、GPEはレゴ財団のプレッジを2倍の金額にし、より多くの女子が学校に通い学習できるようにするための財団の貢献の影響を大きくします。 「GPE Match」 は、経済界や財団からの寄付金に同額を上乗せするインセンティブメカニズムです。

FlemmingMøller Mortensenデンマーク開発協力担当大臣のコメント「このイニシアチブは、私たちの新しい開発戦略の一環として、官民パートナーシップを通じて資金を動員したいというデンマークの願いの具体例です。」

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GPE、世界教育サミット 「Global Education Summit」 開催 23のドナーから過去最高の40億米ドルを調達 1 憶 7,500万人の子どもたちの教育を支援します

Hydrogen Photo Shoot 2021, Los Angeles, US

世界最大の教育課題に特化した国際基金「GPE(Global Partnership for Education / 教育のためのグローバル・パートナーシップ)」(本部:ワシントンD.C. / 理事会議長:ジュリア・ギラード)は、教育支援のための世界的な資金調達会議 「Global Education Summit」 (ボリス・ジョンソン英首相、ウフル・ケニヤッタ ケニア大統領 共同開催)を、7月28日-29日に英・ロンドンで開催し、23のドナーから過去最高となる40億米ドルを調達しました。

各国の代表が「Global Education Summit」でGPEへの拠出を表明。日本は『GPEへの支援継続および今後5年間で15億ドルを超える教育分野への拠出を行う』と茂木外相が約束。

2021年7月28日、29日にロンドンで開催された、Global Education Summitでは、オンラインとオフラインで何千人もの参加者が見守る中、23のドナーから次々と、GPEへのプレッジが述べられました。多くの国や団体は、新型コロナウィルスが世界の教育に与える影響やその重要性を鑑みて、前回の増資会合よりも多くのプレッジを示しました。例えば隣国の韓国は前回から3倍に当たる金額をGPEの2021年から2025年の活動のためにプレッジしました。

長谷部誠氏や有森裕子氏、井本直歩子氏など著名スポーツ選手らが参加 「 Raise Your Hand 」 キャンペーンで教育支援の必要性を呼びかける

世界最大の教育課題に特化した国際基金「GPE(Global Partnership for Education / 教育のためのグローバル・パートナーシップ)」(本部:ワシントンD.C. / 理事会議長:ジュリア・ギラード)は、現在世界中で展開している「Raise Your Hand」キャンペーンに、この度日本で、長谷部 誠氏(プロサッカー選手・日本ユニセフ協会親善大使)、有森 裕子氏(オリンピック女子マラソンメダリスト)、井本 直歩子氏(オリンピアン・途上国教育支援専門家)などが参加し、日本国内においても、教育支援の必要性を強くよびかけています。

長谷部 誠 氏 メッセージ

https://twitter.com/GPE_Japan_PR/status/1415898708160376832

有森 裕子 氏 メッセージ

https://twitter.com/GPE_Japan_PR/status/1415898883071176704

井本 直歩子 氏 メッセージ

https://twitter.com/GPE_Japan_PR/status/1415899047500541952

持続可能な開発目標SDGsの1つとして、目標4「質の高い教育をみんなに」が掲げられています。GPEの「Raise Your Hand」キャンペーンは、10億人の子どもたちが暮らす最大 90 カ国の教育制度の変革の支援を行うために、2021年-2025年の期間で最低でも50億ドル(約5,400億円)の増資を目指して行われているものです。本キャンペーンは、7月28日-29日(現地時間)にロンドンで開催される、教育支援のための世界的な資金調達会議 『Global Education Summit』 (ボリス・ジョンソン英首相、ウフル・ケニヤッタ ケニア大統領共同開催)に向けて実施しています。

100か国以上、約300人の参加が予想される『Global Education Summit』 では、各国政府より今後5年間 のGPEへの拠出金額が発表されます。なお、先の G7 サミット(ロンドン)において、各国より GPE への拠出金額が続々と表明されています。日本政府は G7 の中でもアジアを代表する経済大国として期待をされていますが、これまで GPE への拠出が全体の0.46%と極めて低く、今回の『Global Education Summit』では日本の拠出金額に世界から注目が集まります。

『Global Education Summit』 は、LIVE 配信(無料)をオンラインでご覧いただけます。なお、会場には世界各国からGPEのユース達も集まります。日本からは、大竹日和奈さん(国際基督教大学)が、日本代表のGPE Youth Ambassador Japanとして参加します。視聴方法や登録につきましては、下記ページよりご確認ください。

https://www.globalpartnership.org/financing-2025/summit (英語)

<ご参考>

GPEが展開するグルーバルキャンペーン「Raise Your Hand」には、各国のスポーツ選手やアーティスト、文化人、政治家、セレブリティが参加し、世界中のリーダーにGPEへの支援を呼びかけています。

ミシェル・オバマ氏

ディディエ・ドログバ(元プロサッカー選手・コートジボワール代表)

エリウド・キプチョゲ氏 (リオデジャネイロオリンピック金メダリスト、マラソン世界記録保持者)

GPE Logo

教育のためのグローバル・パートナーシップ「Global Partnership for Education(GPE) 」は、2002年に世界銀行が主導して、設立された世界で唯一の教育課題に特化した国際基金です。すべての子どもたち に、公平で質の高い教育を提供することを目指しています。
また、途上国、支援援助国、民間企業、各国政府や、国連機関、NGOなどによるパートナーシップであり、世界中から教育のための資金を調達し、90の低所得国とともに教育制度の改善・強化を図り、彼らが直面する教育の最重要課題を解決できるように支援を行っています。GPEはSDGs の目標4「質の高い教育をみんなに」の達成を目指しています。

サッカーの世界的スーパースター、ディディエ・ドログバ氏がGPE の 『Raise Your Hand』 キャンペーンに登場

教育への支援を世界各国のリーダーに呼びかけ

世界で唯一の教育課題に特化した国際基金「GPE(Global Partnership for Education / 教育のためのグローバル・パートナーシップ)」(本部:ワシントンD.C. / 理事会議長:ジュリア・ギラード)は、現在世界中で展開している『Raise Your Hand ~手をぴんと挙げよう~』キャンペーンに、世界的スーパースターのディディエ・ドログバ氏(元サッカー・コートジボワール代表)が登場し、あらためて世界中のリーダーに向けて教育への支援を呼びかけています。